起業しようとするなら、そのために取り組むことのできる事業は一つだけです。どんなに魅力的事業が複数あったとしても、現実に立ち上げることができるのは一つと考えて間違いないです。
起業準備においては、この絞り込み作業をすることが重要な課題になります。Mさんは、8年後に迫っている定年退職を考え、そろそろ自分で独立して仕事がしたいと考えていました。
会社では税務関係の仕事をしていて、資格も取得していることから同じ仕事を続けることを計画しています。今は、競争の激しい士業ビジネスなので、これからどうクライアントを作るか、現実はとても難しい事業です。
一方、長年趣味にしてきた城郭研究にも未練があって、定年後は自由に各地に足を延ばしたいとも考えています。そのために独立することを考えたと言ってもよいくらいです。
会社勤めをしているうちは、業務と趣味とを分けて取り組むことができました。独立するとなると、どちらか自分の事業領域をはっきりさせるため、軌道に乗るまではお城を封印しておかなくてはなりません。
将棋の千日手に似ていて、趣味を生かしたいために独立を考え、独立するなら趣味は当面のあいだ止める必要があります。起業準備とはいえ、そのくらい真剣に取り組まなくてはなりません。
それは、自分のビジネス領域をはっきりさせ、ムダな時間を使わずに自分の領域に思考を集中させるため。何故、そんなに事業準備が大事かというと、個人の体験や能力によって、準備方法は同じではないからです。
以前は準備のためのテキストというと、目標設定や事業計画など誰もがほぼ同じ方法でした。現在は、一人一人に適したプロセスを考え、参入予定の事業に関してもできるだけ認識を深めてから開業します。
準備段階で個人の能力をできるだけ高めることが第一の目的です。準備前の視点と準備が進んでからの視点では、同じ目なのに大きく成長させてから実際の起業に向かってもらいます。
起業準備はここから
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