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起業を目指す人のための「転ばぬ先の起業講座」
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『 元気を取り戻す移動販売による起業 』
起業に向けて、全身からこぼれるほどのヤル気があるのに、まとまった開業
資金を作れない若者にとって、車を利用した移動販売は根強い人気がある。
東京都を例にとると、食品監視課が飲食営業自動車として04年度末までに
許可した台数は、1,114台と10年前と比較して2.2倍に増えている。
これは東京だけでなく、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台、横浜、広島など、
大都市においては共通している現象だ。
02年以降、大都市では大規模オフィスビルの建設が相次ぎ、90年代後半と
の比較で1.5倍まで床面積を増床していることと密接に関連している。
オフィスビルの増床にしたがって、そこに勤める人は増える一方だが、彼らの
ランチを賄う食堂や料理店などの店舗の開設が追いつかないため、簡単に短
時間で入手できる移動販売を頼りにするのだ。
また、連日同じメニューでは飽きるので、目先の変わったランチメニューを探す
ため、大都市でのランチの移動販売は需要が高くなる一方だ。
車による移動販売には、弁当、パン、おにぎり、ハンバーガー、カレー、ラーメ
ン、うどん・そば、アイスクリームなどの飲食品のほかに、アクセサリー、生花、
日用品、衣料品など、その販売地域の特性を活かして、勘とアイデア次第で多
種多彩なものを売ることができる。
実店舗での開店と比較すると、権利金や月々の賃貸料、改修費などが不要
になるうえ、需要のある場所に出向いて商売ができる強みがある。
反対に、移動販売では車の購入やその改造などにまとまった費用がかかるう
え、一日の売上げが天候に大きく左右されるリスクがあることを認識する必要
がある。
最近は、移動販売に利用した車の中古が数多く出回っているので、新車を購
入するまでもなく、中古車で初期費用を安く押さえる起業家が多い。
ただ、飲食店での移動販売の場合は、開業にあたって保健所に営業許可を
申請する必要があり、食品衛生責任者を置くことも義務付けられている。
東京・吉祥寺でパンの移動販売を行なって3年になる庄野真由子さん(28)
は、日曜から水曜まで週4日間の昼時を、決まった公園や市役所前にワゴン車
を停めてパンを販売している。
当初は友達と二人でスタートした移動販売だったが、昨年友達が自分の道を
求めてパンの販売から手を引いたため、今は一人でてんてこ舞いの日々を過
ごしている。
吉祥寺の隣町・三鷹にある庄野さんの工房で当日の販売予定のパンを焼き、
それを車に積み込んで販売場所へと出向き、売り終わると後からづけをする一
日はけっこうハードだ。
将来は、パンの実店舗の経営を行なうことが夢ではあるが、今は吉祥寺の行
く先行く先にお得意さんの主婦やサラリーマン、お年寄りなどが増えて、体力的
にはきつくても充実した毎日を過ごしている。
飲食店の移動販売が人気を集めている反面、そのほかの衣料品や日用品、
生花など非飲食の販売は不振のようだ。
移動販売の場合は、むやみに売れる場所を求めて移動するのではなく、交通
量が少なく、人が集まりやすい場所で定期的に決まった時刻に停まって販売を
する必要がある。お客さんの信頼を得るまでに時間がかかるビジネスで、若い
起業家にはその我慢がなかなか難しいようだ。
ただ、この集客までの我慢やお客さんとのコミュニケーション法、仕入れ値を
基にした値付けの方法、資金管理など、ビジネスを行なう上での基礎的なこと
は移動販売を通して身につけることが出来る。
起業家にとって、移動販売を一生の生業と考える人はいないと思うが、ビジネ
ス感覚を身につけるうえで、一度は経験をして置いて損のないビジネスである。
また、フランチャイズ制による飲食店の移動販売も展開されているが、利幅の
とても少ないビジネスなのでロイヤリティーの支払いが厳しく、長続きしている
加盟店はとても少ないのが現実だ。
目標のビジネスに向かってのステップとして移動販売を考えると、それなりに
有意義なビジネスである。
移動販売車で商売を計画する前にこのマニュアル