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元気を取り戻す移動販売

平成24年6月1日

 東日本大震災をきっかけに、移動販売による営業が広く注目されるようになりました。当初は、コンビニ本部が被災地に移動販売車を導入して、食料や雑貨の販売でした。その後、食べもの移動販売も被災地の復興現場や周辺地域で人気を集めています。

 食べもの移動販売は、2006年の道路交通法改正で路上駐車が難しくなったこともあって、一時は活気をなくしていました。その後、各地に移動販売スペースが設けられるようになって、再び出店が増えています。首都圏ですとネオ屋台村、ドン・キホーテの店舗周辺、軒先.com などが知られています。

 世界の食料危機を救うといわれるミドリムシを活用するユーグレナ。この会社は、シンボルの移動販売を用意してミドリムシ関連商品の販売を5月から始めています。味噌のマルコメも、移動販売を利用して、出勤前のビジネスパーソン向けに味噌汁の販売を始めました。

 飲食店経営者の中には、新たなビジネスチャンスを掴むため、移動販売による営業を考えている人がいます。飲食業は今、お客さんニーズの読めない時代と言われています。従来のように、お酒さえ売れると、どんなお店でも何とか営業ができた時代とは変化してきています。

 わが国の飲食店の数は、1991年の84万6千店をピークに減少が続いて、09年には67万3千店と約2割減っています。それほど、飲食店経営は難しくなっています。そのため、少しでもリスクを減らそうと、お客さんにいる場所に出店する移動販売に興味が集まっています。

 移動販売は、実店舗に比べ少ない資金で開業できるのが魅力です。店舗を借りるとなりますと、敷金や内装工事など少なくとも数百万円はかかります。移動販売の場合は、店舗に変わる移動販売を用意しますが、中古車では1百万円までかかりません。

 ただ、ビジネスですから、移動販売といえども落とし穴はあります。開業前には、保健所の営業許可を取る必要があります。他に、食品衛生責任者の資格も必要になります。また、営業用に改造した移動販売車の準備も必要です。落とし穴その1は、最初に移動販売車を準備してしまうことです。

 あくまでも、保健所へ申請を出して許可が必要ですから、保健所に相談した上で改造車を用意することです。せっかく準備した移動販売車が、販売するメニューによっては使用できないこともあります。許可は全国一律ではなく、保健所ごとに変わっていますので注意が必要です。

 落とし穴その2は、開業前に資格や許可など、事前審査がいくつかあります。試験に受かるために全力で取り組んでいますと、その後の開業してから失速する人がいます。移動販売車や車内設備などハードばかりに目を向けていますと、実際の販売に必要なソフトを忘れる人が多くいます。

 自動車免許を取るときと同じで、実地だ学科だとお金とエネルギーを使い切ると、その後の営業してからの本番で失速します。移動販売においては、ここで失敗する人が意外と多いです。この程度のことでたいへんと思っていては、その後の販売営業で音を上げてしまいます。


 落とし穴その3、移動販売で成功するためには、ここが一番大事なことですが、頭の切り替えを行うことです。それまでの従業員の気持ちそのままでは、移動販売での経営で失敗します。小さなビジネスとは言え開業したなら経営者です。企業を経営をする気持ちで開業することです。

 現在は長引く不況により、開業投資する資金集めは楽ではありません。開業する機会も、何度も巡ってくるわけではありません。そのため、移動販売での開業にあたっては、慎重に準備をすることです。自分にできるかどうか、チェックした上で、開業に向かって進んでください。

            
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