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            『 果たして資格獲得は起業と結びつくか? 』

           11月は、各種資格試験の合格発表が行われる季節。
          資格獲得をテコに事務所を開設することは、起業を目指す人間にとって憧れ
          のコースと云える。特に、山一、拓銀と大型倒産が続いて日本経済が萎縮し
          た90年代後半以降は、リストラが日常化した上に、勤務者に対する国の教
          育訓練給付制度もあって、資格取得の学習熱は高まる一方である。
           人気のある行政書士、税理士、社会保険労務士などは、前年比20%の
          伸びで受験者が増え続けている。

           ところが、これら試験の合格率となると行政書士が2.9%(03年度)、税理
          士は11科目の合格を累積して全科目取得で合格になるが、志願者総数に
          対する合格者の比率は1.5%(03年度)、社会保険労務士は9.4%(04年
          度)である。行政書士は例年10%前後であるが、昨年は問題が格段に難し
          く、一気に合格率を低下させたといわれる。
           志願者数がドンドン増えているのに合わせて、合格者を一定数にして、資
          格者の需給バランスをとるために、試験問題の難易度を上げる調節がとられ
          ているようである。

                − 10年一つ業務を研究したら立派な専門家 ー

           今年は公認会計士の世界で異変が起きている。税理士が中小企業の経理
          を行うのに対し、中堅・大企業の経理を行う公認会計士は、二次合格者で就
          職を希望するほぼ全員が大手の監査法人に就職してきた。ところが今年は、
          合格者数が増えたこともあり、就職できない合格者が2割くらい出そうである。
           彼らは、監査法人で3年間の実務経験を得たうえで、3次試験に合格して会
          計士資格が取得できることになるため、このままでは3次試験の資格を取るこ
          ともままならない状態に置かれる。
           この傾向は公認会計士だけでなく、税理士や社労士などの世界でも、主要
          な顧客である中小企業の開業の減少や同業者の増加による競争の激化によ
           って、せっかく取得した資格を生かせず、不本意のまま従来の会社勤めをして
          いる人を多数生んでいる。

           資格試験の準備から、試験、合格、開業準備、開業という起業の流れで考
          えると、最短でも5年はかかる。しかも、合格率が5〜10%とは、4、50代の
          サラリーマンが酒を断って頑張っても、5回の挑戦で1回成功するかどうかの
          確率である。この種の試験には、大学生や学院生が受験勉強の延長戦で挑
          戦して高い確率で合格するので、サラリーマンの合格率はますます低いこと
          を覚悟するべきである。
           5年という年月は、販売営業職でも特定商品の販売企画担当でも、どんな
          仕事も真剣に取り組むと一人前になるには十分な時間である。人間、一つの
          物事に10年取り組んだら立派な専門家である。
           投資の世界に、『人の行く裏に道あり花の山』という言葉があるが、自分を
          投資するという意味では、皆が群がる資格取得という道より、人が考えない
          道を探して自分を投資することも、立派な選択肢である。  
                               
                               
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