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               『 動きだした災害危機管理ビジネス 』

           中越大地震の発生から一カ月。
          40人以上の人が亡くなり、負傷者も約2900人。11月中旬でも6000人以
          上の人がまだ避難生活を余儀なくされている。
           「天災は忘れたころにやってくる」と言われるが、今年は史上最高の10個
          の台風が上陸
し、18号や23号のように歴史に残る超ど級の大型台風があ
          った。また、10年に一度といわれる新潟・福島豪雨や福井豪雨などもあり、
          中越大地震と合わせて忘れるどころか、天災のラッシュである。
           これらは自然災害であるが、このほか最近は、地下鉄サリン事件や9.11
          同時多発テロ事件のようなテロ行為や一般事故への巻き添えに対する不安
          も国民には根強い。

           安全神話がまかり通っていた昔のわが国では、災害向けの危機管理ビジ
          ネスと云うと、損害保険会社と乾パンメーカーが一手に引き受けていた。
           それが、阪神淡路大震災以降は耐震性を備えた住宅、家具の転倒防止機
          器や保存食品など個々の設備や商品に目が向けられるようになったが、国
          民的な不安にしっかり対応した危機管理ビジネスの出現には至っていない。
           マスコミの災害報道を見て分かるように、発生直後にはどこの新聞やテレ
          ビも同じような報道を延々と続けるのに、被害者の生活が徐々に元に戻り始
          めたとたん、急速に関心は薄れ、それに伴って国民の危機管理に対する関
          心も低下していくのが常だった。
           ところが、国民心理としては、、大震災が自分の身に降りかかる可能性は
          想像できないが、年間に何度も上陸する台風によって歩行中吹き飛ばされ
          る可能性やちょっと強い地震で食器棚の飾り皿が落ちてきて怪我をする可
          能性は想像できる。そのための備えなら、比較的容易にすることができる。

                − 技術の進歩を活用した起業が可能に − 

           そんな災害対策の情報提供を行っているビジネスモデルとして、レスキュ
          ーナウ・ドット・ネット(http://www.rescuenow.net/)が注目を集めている。 
           この会社は日本IBMでサラリーマンをしていた市川啓一さんが、95年1月
           の阪神淡路大震災を教訓に社内ベンチャー制度を利用して起業した会社
           で、2000年4月に35歳で設立した。
            現在、個人を対象としたサービスは、月額200円で携帯電話、パソコンな
           どの端末向けに天気予報、警戒・注意報、地震情報、火山情報、主要鉄道
           路線情報、事件/事故情報、フェリー・フライト情報を提供している。
            また、企業向けにも、大地震直後に自動的に社員にメールを送り、その
           返信で社員の安否と被害状況を的確に把握する確認サービスを行ってい
           る。このサービスは鉄道、道路などのインフラ関連業界から自動車メーカー
           などの製造業へと多くの企業が採用をはじめており、中越大震災を契機に
           普及が一気に進む可能性が高い。

            災害に対して国民は強い不安を感じている。つまり、高い需要がそこには
           存在しており、地域の特性を生かしたり、対象の業界を絞りこんだり、顧客
           ターゲットを見つけることで、独自の危機管理ビジネスをスタートさせること
           が可能である。
            これまで絶対不可能とされてきた災害発生の瞬時の情報提供も、携帯電
           話や情報端末の技術的な進歩で可能になった。しかも、大企業が独占す
           るような高度な技術ではなく、標準的な技術で情報の収集も発信もできる
           ことが大きい。
            レスキューナウ・ドット・ネットに続く起業が期待される。

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