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          『 見えてきた少子化による消費ニーズの変化 』

           このところ、少子高齢化が大きな話題になっている。昨年は、年金問題に伴
          って高齢化がクロースアップされたが、今年は消費拡大の視点から少子化に
          注目が集まりそうだ。
           少子化の進行は、子供向け商品の需要減少に直結すると考えられていた。
          実際、学校の授業で使う教材や衣類などの売上は、児童数に比例して減少し
          ている。しかし、実際は子供一人一人にかける金額が増えていて、それに伴っ
          て学習塾や習いごとビジネスの活況につながっている。
           昔の習いごとの定番だった、習字やそろばんに復活の兆しが出始め、体力
          作りや強い精神力を養うトレニング教室や空手教室なども人気をよんでいる。
           他方、子供向けアイテムも廉売品がまったく売れないのに対して、値ごろ感
          のある高品質のアイテムに人気が集まっている。ゲーム、ファッション、携帯電
          話、最近は防犯用のグッズなど、少子化が信じられない売れ行きである。「パ
          ーフェクト・チャイルド」や「完璧の母」といった言葉が、子供への投資額の多さ
          を表している。

           少子化は一方で、母親世代の社会進出を加速させている。
          米国では60年代に、女性の社会進出に伴って、それまでのハイヒールの靴が
          活発に動きやすいローヒールの靴にとって代わられて爆発的に売れた。現在
          のわが国においても、都市部で流行のマッサージビジネスは、女性の社会進
          出抜きには語れない。足裏マッサージや10分刻みのマッサージなど、この世
          代の女性に照準を当てて上手くマッチしたビジネスであり、このほかにも新しい
          ビジネスはどんどん生まれそうである。
           幼児教育を取り入れたベビーシッターやお手軽な家事サービスなど、買いも
          の上手な女性相手のサービスはアイデア勝負になる。
           ビジネス世界での女性の潜在能力は以前から高く評価されてきたが、少子
          化の急速な流れとともに女性幹部が大挙して出現する可能性も高い。すると、
          ホテルや旅行、食事、ゴルフ、酒場など、女性仕様の新しいサービスが参入す
          る余地は大きい。

           他方、少子化がもたらす最大のマイナス要因には、新築住宅の建設が上げ
          られる。
           子供が増えないことにより面積の広い住宅のニーズが減る反面、老人が個
          人住宅から施設へ移り住むため、住宅の供給過剰時代が到来すると予想され
          る。現在でも、住宅の総数は量的にニーズを満たしており、都市では点在する
          空き家が深刻な問題になる。
           住宅が、一生に一度の人生最大の買いものではなくなる。その代わり、住宅
          の中古市場が大きな市場に育つ可能性が大きい。
           起業のおいて消費者のニーズの変化はたいへん重要な事柄である。
          当然、市場で生き延びることのできる起業家のスキルがあってのニーズの変
          化ではあるが、この変化に乗ることによって新旧サービスの交代が行われる。
          流れをよく読んで、起業のきっかけになることを期待している。

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