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                『 財政問題は起業に影響するか? 』

           1月4日付けの「財政再建と起業の関係」には多くのご意見を頂き、ありがとう
          ございました。
           北海道の地方公務員 F さんから、「市民の高齢化と大変な赤字財政で、自
          分も役所も将来の展望がまったく立たない」と云う嘆きのご意見、同情を禁じえ
          ません。
           財政の厳しい市町村は、そこで活動する企業にも厳しい経済環境での事業
          を強いるわけで、特に過疎化が進む地域の住民の方には、全国民を相手に商
          売ができるネットビジネスをお勧めします。
           
           東京の国家公務員の I さんからは、「財政赤字について、役所内ではまった
          く口にすることがなく、ほかの省の問題といった認識が充満している。I さん自
          身は、将来大変な問題になるとは思っているが、それでも目先の予算案作り
          では1円でも多く獲得しようとする自分がいる」と本音を書いてくれた。
           役人と起業家というと、その発想パターンが180度反対のポジションであっ
          て、役人はすべて前任の行動様式を踏襲することによって成り立つ官僚主義
          であるのに対して、起業家は誰も人が試みなかった事業を成り立たせることを
          理想としている。ただ、この国の財政は、役人に対しても自立することを急き立
          てている現状です。
           
           東京の独立行政法人にお勤めの S さんから、「自分の仕事は地球温暖化が
          進む現状では非常に重要なテーマで、財政赤字の中でもこの事業を止めたり
          縮小させることはできない。国の補助金や助成金は、民間では絶対できない
          自分たちのようなテーマにより多く振り向けられるべき」と熱く書かれ、財政赤
          字は最近の予算額の減少で感じてはいるが、そのことが職員同士で語られる
          ことはまったくないと言う。

           
                   − 正義感より起業の合理性から − 

            押しなべてご意見の多くは、公務員や準公務員ともいえる独立行政法人の
          方が多く、民間の方からは数件しかなかった。しかも、これらのご意見は決まっ
          て、財政再建が行われるとどんな起業が考えられるか質問調のものであるが、
          その件はまた改めて書いてみようと思う。
           ただ、ここで指摘したかったのは、@ 日本の予算組みはまもなく超緊縮型に
          なって、公務員の削減や予算額の削減は避けられない A そのため国の支
          出に依存している企業や人は、影響が避けられない B今の内からその時に
          路頭に迷わないための準備が必要ということである。
           今から15年前のバブル崩壊のときも、見かけだけ膨らんだ経済と実体経済
          の間には埋めようのない大きな溝ができているのに、最後まで地価上昇の神
          話を信じ続けていたり、日本経済の拡大だけをいつまでも信じて、多くの企業
          家が身の破滅を招いた。

           これから起業を目指す人、現在事業を行っている人には、この危険地帯に近
          づいてほしくない。
           国会の議論のなかでも、財政赤字の建て直しに関して突っ込んだ論議はま
          るで行われないし、経済学者の中でも中京大学大学院の水谷研治教授や慶
          応大学の金子勝教授などが、一日も早い財政再建への取り組みの必要性を
          色んな場所で語っているが、ほとんどの政治家や学者はダチョウ症候群の状
          態で、直面するこの大問題から目を逸らすために意識的に枝葉の問題ばかり
          を取り上げているとしか思えない。
           起業にとって重要なことは一手先を読んで、他人より有利な立場で事業を行
          うことである。財政再建が具体的にスタートした後の経済を想定して行動する
          のは、正義感からでも国を思う気持ちからでもなく、起業に携わる人間として
          は当然の経済合理性からである。          

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