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              『 コンサルティングビジネスのこれから 』

           コンサルティング業は、専門的知識と経験があると、特に資格を必要としない
          ため、中年のビジネスマンにとって少ない資金で身軽に出来る起業として魅力
          がある。
           現在積極的に活動しているコンサルティングは、対企業、対団体向けがほと
          んどで、I T関連、コスト削減、マーケティング、人材開発など幅広い分野で、多
          くの人が活躍し始めている。
           珍しいところでは、外食産業や地主を対象に店舗作りを行っている元回転す
          しチェーンの店舗開発担当者、企業から社員のメンタルヘルス管理を任されて
          いる元石油会社サラリーマン、小規模な病院などで患者対応のマナーをコンサ
          ルティングしている情報誌の元編集者など列挙すると限りがないほどである。
           また最近は、トヨタ式カイゼンのノウハウを武器にトヨタ自動車OBの人たちが、
          コスト削減のコンサルティングに大挙して乗り出している。
           コンサルティング業務は、ボストンコンサルティング、マッキンゼー、bain& 
          company など米国大手の総合コンサルティング会社が、わが国で企業や行
          政向けに業務を開始して30年以上が経つ。しかし、個人企業の一芸に優れた
          コンサルティングが、わが国の産業社会に足を下ろしてまだ10年と経っていな
          い。

           コンサルティングビジネスと国や自治体の規制緩和との間には、相関関係が
          存在している。金融や通信など規制緩和が進むと、サービスを提供する企業の
          事業展開が大きく広がり、企業はコンサルティングを利用して収益に結びつく
          あらゆる可能性を探る。
           他方、サービスを受ける顧客の側も、自分に有利で最適なサービスを知るた
          めに、専門的な知識や経験にもとずくアドバイスをコンサルティングに求める。
           多額の資金を使ったり、高度な技術を必要とする、預金の運用、住宅の取得、
          子供の教育、事業の開業、自宅での通信やネットワークシステムの導入、自動
          車の購入などに際してである。
           現在は、対企業や対団体向けに広がっているコンサルティングも、この後は
          個人顧客向けのニーズが拡大する。

                 社会の周知と顧客作りが最大の課題 

           個人顧客へのコンサルティングに際して、最大の問題は信頼の獲得とアプロ
          ーチの方法である。これまでの個人顧客向けは、大手企業がお客様相談コー
          ナーにおいて、自社サービスだけを念頭に無料で対応してきた。
           このようなサービスに慣れた顧客に対し、幾種類かのサービスを提示して、
          しかも有料でコンサルティングをするには、それなりのエネルギーと技術が必
          要だ。第一、顧客と接する場所の設定から大仕事である。
           現在、独立したファイナンシャル・プランナーの人たちが、中高年で一定の資
          産を持っている人を対象に、資産運用のコンサルティングを定期的に行ってい
          る。
           また、フィットネスのインストラクターを兼務しながら、個々の高齢者と契約し
          て各人の体調に合わせたプログラム作りのコンサルティングを行っている人た
          ち出てきている。

           ここで重要なことは、個人顧客向けコンサルティングは、個々の依頼者の特
          殊な事情に呼応した答えが求められている点である。個人がコンサルティング
          に費用を払ってまで答えを求めるのは、通常の汎用的なサービスでは満足出
          来ない特別な事情があるケースが多い。
           この希望に答えるには、常に幾つかの複数解答を用意できる能力と、周辺
          業種について協力を求めることのできる、他のコンサルティングと横の連携を
          持つことができる人脈があること。個人顧客相手のコンサルティングニーズが
          増えてくると、地域別、種類別に業務は細分化されて、現在の米国型の手軽
          なコンサルティングシステムが登場すると思われる。
           個人が行う仕事としてのコンサルティングは、手間と神経ばかりすり減らすう
          えに、決して高額の料金は取れない割の悪い仕事である。しかも、コンサルテ
          ィングが周知されていない現在のわが国では、顧客作りに思いのほか骨が折
          れる。
           ただこの仕事は、経験を積めば積むほどスキルアップが可能な息の長い仕事
          である。将来、コンサルティングによる独立開業を目指している人も、これから
          準備期間を確保して能力を向上させることで、コンサルティング開業は可能で
          ある。           

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