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               『 国民生活金融公庫による資金作り 』

           今年度に入って国民生活金融公庫( 国金 )の新規開業資金融資に対する
          審査基準が緩やかになっている。
           景気回復の遅れで、金融機関の不良債権処理が一向に進まなかった02、
          03年度には、90年代後半に騒がれた貸し渋りや貸し剥がしの余波が色濃く
          残っていて、金融機関全体に貸し出し審査は厳しかった。
           国金においても、保証人や担保の有無が融資の最低条件になっていた。こ
          の時期には、無理して開業・運営資金を作ろうとして、保証人を紹介し合って
          融資を引き出す仕組みを運営する団体や業者に依頼したために、大変な附け
          を払わせられた起業家もいるほどである。
           所が05年度になって、景気回復の本格化による運転資金需要の減退、雇
          用改善に伴う起業希望者の減少などで、融資資金がだぶつき審査基準を徐々
          に緩めているようだ。
           現在は、@ 事業計画書の内容、A 自己資金額、B 保証人・担保、C 計画
          事業対する本人の経験とスキルの順で審査の優先順位は決められているよう
          に思われる。
           したがって、計画書の内容いかんによっては、希望融資額の減額や保証人・
          担保の提出を求められることもあるようだが、2、3年前とは比べものにならな
          いくらい積極融資に動いているようだ。

           国金の起業向け融資としては、最高750万円まで融資可能な新創業融資
         制度
が最も一般的。この制度は、無担保、無保証人で利用でき、貸し出し条件
          も比較的緩やかである。
           また、開業して5年までの間なら、最高7200万円まで融資してもらえる新規
         開業資金
、女性または30歳未満、55歳以上の方なら女性、若者、シニア起
          業家資金などもある。
           このほか、食品関連の小売店を対象とした食品貸付、飲食関連や理美容業、
          クリーニング業などの生活衛生貸付もあり、起業を志す人なら国金は、一度は
          経験をしておいた方がいい融資制度と云える。

           国金による融資を受けることには、大きな2つの利点がある。
          一つは、自分の事業や事業資金に対する考え方をまとめる効果。
           事業計画書を書くことによって、自分がやりたい、やろうとしている事業内容
          をしっかり整理することができる。特に、面談する担当者から売上予測、仕入計
          画、収支計画など、専門家の指摘を聞くことで、自分の計画の弱点を知ること
          ができる。
           起業する人によっては、この面談で自分の事業に関して初めて専門家の意
          見を生で聞いたという人も多い。何度か計画書の書き直しをしたり、添付資料
          を作成したりすることになるが、事業の厳しさを知る上で、融資を受けることは
          最大の関門といえる。
           また、お金を借りることの大変さを経験することによって、事業者として資金に
          対する考え方を否応なしに問われることにもなる。同じお金でも、事業資金は
          生活費や遊興費とは違って、活用の仕方でいくらでも増やすことが可能なお
          金。融資を通じて、お金に対する考え方が、会社勤めの時代とはまるっきり変
          わってくるから不思議である。
           
           もう一つは、融資の実績作り
          一度、国金融資を利用して完全返済することによって、実績として記録されるの
          で、次の融資が受けやすくなる。
           今は、資金に困っていなくても、将来予想される金利上昇局面や運転資金が
          本気で欲しいときに、この実績は想像以上の威力を発揮してくれる。
           転ばぬ先の国金融資である。
          地域によって、融資のスタンスに幾分のばらつきはあるが、全体の審査基準が
          緩やかで、金利が非常に低い現在は活用のときである。    

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