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             『 期待されるスピーチライターの出現 』

           「取り敢えず、お詫び申し上げます。 申し訳ありませんでした・・・」
          テレビのニュース番組やワイドショーでは連日、この台詞が大手企業の経営者
          や幹部から重々しく発せられて、深々と頭を下げるシーンが映し出される。
           最近も、列車脱線事故を引き起こし107人の死者をだしたJR西日本の社長、
          航空機運行で重大なトラブルが続く日本航空の社長、橋梁談合を長いこと続け
          てきた事件では横河ブリッジや三菱重工業など10数社に及ぶ社長が謝罪会
          見を個別に行った。
           テレビが放映する会見シーンはマスコミとの長いやり取りのほんの一部だが、
          会見の現場では記者の厳しい質問に、社長がオロオロしたり、激高して喧嘩腰
          の物言いになったり、会社の評価を落とす原因になることも少なくない。
           2000年には、1万5千人以上の牛乳中毒被害者を出した雪印乳業の社長
          が、会見の席上で会社への厳しい質問が相次ぎ、苦し紛れに 「わたしは寝て
          いないんだよ」 と口走ってt大変な非難を浴びた。
           この一言が、当時乳製品業界でダントツの一位だった雪印乳業を、解体的再
          建にまで追い詰めた原因の一つであることは確か。

           最近は、巻き込まれる危機管理に対応して企業が、社内で管理体制を構築し
          たり、危機管理の専門会社と契約を結ぶケースが多い。
           ただ、会社全体を対象とした危機管理体制とは別に、企業の社長や幹部が
          個々にマスコミに登場して発言する機会が増えており、そこでのイメージは、
          視聴者に強烈なインパクトを与える。
           社長が誠実で好感のもてる対応をすることによって、企業イメージは格段に
          良くなり、会社の危機もある意味チャンスに代えるインパクトを持つ反面、社長
          の場違いな発言でますますイメージを下げる危険性も抱えている。
           対メディア戦略で世界の一歩先をいく米国では、1921年に第29代大統領に
          就任したハーディングには、既にスピーチライターが付いていて就任演説の原
          稿を書いている。
           その後、スピーチライターは対メディア戦略には、欠くことのできない職業とし
          て確立しており、政治家や有名人はほとんどスピーチライターと契約している。
           大手の企業においても、幹部の公式の発言のほとんどは、スピーチライター
          の手に掛かっていると思って間違いない。
           現ブッシュ大統領になると、テーマ毎に10人以上のスピーチライターを抱えて
          いると云われている。         

           わが国においても、これだけビジネスや政治の世界で対メディア戦略の重要
          性が云われ、しかもその必要性に迫られながらも、これまでスピーチライターが
          出現していなかったのは不思議である。
           ただ最近になって、企業幹部に対してメディア向けトレーニングを行うコンサ
          ルタント会社が生まれているし、人材派遣会社にもスピーチライターやゴースト
          ライターの派遣要請する大手企業も出ているようだ。
           徐々にではあるが、スピーチライター出現の環境は整いつつある。
           時代が、文字による発言から話し言葉の時代に代わって久しい。動画時代に
          入って、それにふさわしいメディア戦術が求められる。
          起業にあたって、このニーズを見逃す手はないように思える。           

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