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             『 ニーズ拡がる子供向けビジネス 』

           子供を対象にした起業の芽が、最近は急速に拡がり始めている。
           これまで、衣食住を除く子供向けビジネスと云うと、ゲームやテレビ関連の遊
          び系、塾などの学習系、水泳やピアノなどの習い事系の3つに集約され、全人
          口に占める15歳未満の子供人口の割合が、30年間も連続して前年を下回り
          続けているところから、子供向けの起業は避けて、増加する高齢者向けばかり
          が増えてきた。
           ところが、社会の成熟化に伴い生まれる子供の数は減っているが、子供一人
          一人に掛ける金額は年々増加、しかも、子供を巡る痛ましい事件、事故が大き
          なニュースになっているため、ニーズの拡がりを感じて子供向け起業が増えて
          いるようだ。
           
           最近、注目を浴びているのが運動専門の家庭教師サービス。
          犯罪の多発や少子化による友達の減少によって、外で遊ぶ機会が極端に減っ
          た子供の運動不足は深刻化している。
           特に最近は、鉄棒の尻上りが出来ない子や跳び箱、マット運動の苦手な子供
          が増えていて、運動嫌いの原因にもなっている。この分野ではいち早く事業を
          立ち上げた「スポーティーワン」が、運動の苦手な子供向けに個人レッスンを行
          って、体を動かすことの楽しさを教えている。
           科目は、徒競走でどん尻争いから抜け出すための運動会科目、短・長距離の
          ランニング、基礎から遠泳までの水泳、球技、跳び箱・マット・縄跳び・鉄棒など
          で、親と本人との希望に沿って自宅や近くの公園を利用して指導している。
           
           一方、04年11月に奈良県で起こった小学生誘拐事件をきっかけに急速にニ
          ーズが高まっているのが、子供の送迎ビジネス。
           自宅から保育園・幼稚園、塾、習い事教室などへ子供の一人歩きを避けるた
          めに送迎を行うビジネスで、急な残業に迫られた会社勤めの母親に好評であ
          る。育児支援事業の「ウーマンセーブ」は、02年から公共交通機関を使って子
          供の送迎を行っているが、最近は問い合わせが急増している。
           また、親の側からではなく、学習塾が他の塾との差別化策として子供の送迎
          を行うケースもでてきた。今のところ、東京、横浜、さいたま、大阪など大都市
          圏において、警備会社や派遣会社が本業の片手間としてスタートさせている
          が、将来は大きなビジネスに成長しそうだ。
           世界の先進国で、子供の通学用スクールバス制度がほとんど普及してい
         ない国はわが国だけ
。長く続いた安全神話の中で、子供の安全に関してこれ
          までは学校任せにすることが多かったが、最近の子供に対する犯罪の多発で、
          新しい起業の芽となる可能性が高い。
           
           これから期待されそうなのが、子供向けインターネットリテラシー教室
          最近の子供が関係する事件には、ネットが大きな役割を果たしており、子供の
          多くはネットの概念、基本操作、マナー、危険性などを教えられずに、見よう見
          まねで使用しているのが現状である。
           パソコン教室を運営している経営者にとっては、大人の空き時間に、子供向
          けネットリテラシー教室の開設は難しいことではない。
           子供のネット教育は社会的な要請も強く、親に対して有効な説明と子供向け
          リテラシースキルを構築することで、大きなニーズが見込める市場となりそうだ。
           
           以上のような子供向けビジネスは、立ち上げ当初は単独メニューだけでの経
          営は難かしい。子供の場合、時間的制約が大きく、ニーズが一定の時間に集中
          してしまうからである。
           そのため、運動家庭教師には体育系学生を雇ったり、東京・新宿の女性向け
          エスコートサービスの会社が、子供の送迎に参入したりと、知恵とアイデアの
         勝負
になっている。           

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