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             『 東京都中小白書の厳しい実態 』

           今月は東京都が、平成17年版中小企業経営白書のサービス産業編を発
          表している。
           東京都のサービス産業は、金額ベースで全国の約30%を占める巨大な集
          積で、その約7割を「洗濯・理容・美容」、医療業」、「労働者派遣」「情報サー
          ビス」などによって占められる。
           今回の白書の特色は、ビジネス支援と生活支援のサービス業全体で6割
          を超える企業が、売上高、経常利益額ともに3年前との比較で減少している
          点だ。
           特に、理・美容業、クリーニング業、医療業、介護関連などの生活支援関連
          では、実に7割を超える企業の業績が悪化している。
           生活支援サービスは顧客数の減少も激しく、4分の3の企業が3年前より少
          なくなっている。
           一方、ソフトウエア、情報処理・提供、インターネット付随などの情報サービ
          スでは、売上高が3年前より増えている企業が39%、減っている企業が37
          %と二極分化が進んでいる。
           ただ、情報サービス全体では、60%の企業が拡大の方向で事業運営を行
          っており、サービス産業の大枠の中では情報サービスだけが、一人気を吐い
          ているカタチ。

           今回の白書から受ける印象は、サービス業全体が過当競争に陥っている
          こと。
           特に、起業が手っ取り早いクリーニング業、介護関連、学習塾、衣服裁縫修
          理業、レンタルビデオ店などには新規参入業者が多く、激しい顧客争奪が行
          われて、業界全体の体力が落ちている。
           しかも、個々の業態を検証してみると、これらの業種ではフランチャイズ・チ
          ェーン形式による出店が多く、絶えず改廃を繰り返していて起業環境は厳し
          いようだ。
           一方、ビジネス支援の情報サービス産業は市場の拡大が続いており、これ
          まで IT化とは無縁だった業種でも IT化が、一層進んでいることを裏付けてい
          る。また、携帯電話関連事業や金融業界のように、情報システム化がますま
          す巨大化している事業も、情報サービス産業の拡大に大きな役割を果たして
          いるようだ。

           一般に、東京におけるビジネスは競争が激しく、絶えず淘汰が進んでいるよ
          うに思われている。
           多分、バブル期までは、東京におけるビジネスが最も厳しい環境にあったと
          思う。ただ、1990年代後半、デフレ経済に陥ってからは、ビジネス環境は地
          方の方がずっと厳しくなっている。
           そのため、小売業界などでは、家電量販店でも、ホームセンターでも、ディ
          スカウント店でも、地方都市発の販売スタイルが全国を席巻しており、東京で
          の販売展開はお客さん数が圧倒的に多い土壌での商売だけに、比較的楽な
          商売と云われる。
           サービス業では、まだまだ東京発のスタイルが大手を振るっているが、特異
          性や新規性を失った時は、直に地方都市発にとって代わられるだろう。
           特に、これからの起業を考えている人にとっては、他の店にはない何か、お
          客さんに印象的な何かをいかに作り出すか、重要な課題である。
           そこで、起業の成否が決まってしまうのだから。 

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