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                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座

          


                『 がちんこ勝負は起業に追い風 』

           幕張メッセで開催されたデジタル家電見本市「CEATEC JAPAN 2005」は、
          10月8日に閉幕された。
           今回の見本市の最大の見物は次世代DVDでも、デジタルかがみや電子ペ
          ーパーでもなく、松下電器のプラズマテレビの大画像の隣に据えられた液晶
          テレビを覆う黒の垂れ幕だ。
           松下電器、日立、パイオニアのプラズマ3社は、液晶との比較展示を試みた
          が、液晶最大手のシャープの猛反発を受けて、黒の垂れ幕を下げたり上げた
          り注目を集めた。
           最終日の8日には、幕を上げて比較展示を強行して見本市を終えた。

           従来の業界秩序ならば、薄型テレビにおけるプラズマ陣営と液晶陣営との
          線引きははっきり成されていて、他の陣営の領域を侵して秩序を乱さなくても
          しっかり利益を上げることは可能だった。
           逆に、秩序を乱す方が、他の製品への影響を考えるとリスクが多きかった。
          ところが、薄型テレビの価格競争はその種の秩序を根底からくつがえし、どこ
          のメーカーも生産台数を最大化しないことには利益が出ないところから、プラ
          ズマとか液晶とか業界の建前論議だけでは、テレビ事業が成り立たなくなっ
          た末の強行策である。
           業界挙げての、がちんこ勝負である。   

           格闘技の世界ばかりでなく、今は日本のあらゆる業界でがちんこ勝負が始
          まっている。
           身近なところでは、床屋さんの理容業界は、10年程前まで全国各地に網羅
          した理容生活衛生同業組合によって、価格制度から営業時間、各店の経理
          事務の処理法まで一律に管理されてきた。
           ところが、女性客をメインとしてきた美容院が男性客のカットを始めたり、組
          合に加入しない床屋さんが価格破壊店の出店で多くのお客さんを集めるに及
          んで、既存の床屋さんは利益を上げることが出来ず、組合を脱退したり、廃業
          したりする床屋さんが相次いでいる。

           このがちんこ勝負、既存の事業者にとっては、黙っていても商品やサービス
          を購入してくれていたお客さんが、他に色目を使い出すので不安でたまらない
          が、お客さんにとっては自分の好みによる選択肢が色々増えるので決して悪
          い話ではない。
           プラズマと液晶の比較においても、お客さんサイドから画質や価格でどちら
          に軍配が上がるか、テレビを直接比較したい要望が強いために強行したと言
          われている。
           これから起業する人にとっても、がちんこ勝負は悪い話ではない。
          新しく起業する以上、従来の事業者と同じスタイルの営業方法や商品では、
          勝ち目がないことははっきりしている。
           理容業界において、価格破壊店のビジネスモデルが成功を収めて、チェーン
          化して店舗を増やしているように、お客さんが今求めていることをカタチにして
          起業化することで、事業を軌道に乗せることが出来る。

           07年には、わが国の総人口が初めて減少に向かうように、消費のパイはこ
          れからドンドン小さくなる。
           既存の事業者と新たな起業家が、その小さくなるパイの奪い合いがますま
          す激しくなるである。
           これまでにない新しい商品やサービスを、I T化やアイデアを駆使して創造す
          ることによって、既存の事業者に打ち勝つことが出来る。
           全国初登場の商品だけが新規の商品ではない。その地域に初めて登場す
          る商品やサービスも立派な新規の商品だし、既存の商品を地域では初めて
          販売方法によって売ることも、新規のサービスだ。
           要は、お客さんの支持をいかに得るか、ビジネスは全てこの支持のためにあ
          ると言える。                           

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