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                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座

          


            『 起業にとって厳しくなりそうな人材確保 』

           今年の夏以降、雇用環境は急速に好転している。
          団塊の世代700万人の60歳定年が目前に迫ってきて、大手企業を中心に
          人員配置の見直しに着手し始めている。
           来春就職を予定している学卒者は、完全に売り手市場になっていて、複数
          企業の内定を貰っている学生も珍しくない。
           人材派遣会社は夏に続いて、この10月に再度の料金引き上げを派遣先企
          業から勝ち取っている。これは、7年ぶりの引き上げだ。
           また、雇用環境が最悪だった2000年前後に取り敢えず就職した連中が、
          希望の業種や会社へ再度入り直すための就職活動を行なっている。

           起業家の視点からすると、起業か会社勤めか悩んでいるライバルとも云える
          競合しそうな連中が、雇用の好転で会社勤めに走ってくれることは、資金需
          要や商品・サービスの供給過剰を考えると、決して悪い話ではない。
           一方、人を雇う立場になると、これまでと違って能力のある人間を、大手企
          業に取られるわけでマイナスに作用する。
           マーケティングの世界的な権威で米国ノースウェスタン大学のフィリップ・コ
          トラー教授が「ビジネスでは社員がマーケティングの中心に位置付けられ、そ
          れが顧客の消費を左右している」と云うように、余程の商品・サービスの優位
          性がない限り、モノを買う人は、売り手の物腰や態度に引かれて同じストアの
          同じ商品を買うことになる。
           これは、ストアでも、会社でも、モールでも同じこと。モノを売る中心には、人
          がいるのである。

           これから起業家が人材を集めるに際しては、思い切って同じように起業を目
          指す人を集めるのも一つの手である。
           以前は、起業を目指す人は、いつ辞められるか分からない、企業に対する
          忠誠心が薄い、アイデアを盗まれる心配があるなどといった事情で、まったく
          歓迎されなかった。
           ところが、リクルートや旧日本興業銀行のように、会社を辞めた人間とも緩
          やかな提携関係を保って、お互いにプラスになる方向の共同作業を構築する
          企業さえ生まれる時代になった。
           堀江貴文社長のライブドアはこの発想を逆手にとって、起業希望者中心の
          優秀な人材集めを行うことで事業を伸ばしている。

           現在の日本経済は想像以上に足腰がしっかりしていて、企業中心の好景気
          は今後しばらくは続きそうである。
           起業する人にとってこの経済環境は追い風になってくれるし、雇用が好転し
          た現在の環境では起業を目指す人が減るのも、ここ数十年の日本の傾向で
          ある。
           起業に欠かせない、モノ、金、人のうち、モノと金とは何とか回りそうだが、人
          の確保だけは今後ますます難しくなる。
           透明性の高い経営や現場中心の事業を心がけて、今から従業員が働きや
          すい職場環境つくりを早急に考える必要がありそうだ。

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