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独立開業
『釣り具店起業の再挑戦を目指して』

20余年勤めたアルミ工場を辞めて、W さん(47)が静岡県の地元で会社勤めの奥さんも取締役に、従業員1人を雇って釣り具販売の有限会社を設立したのが2002年1月だった。
この時期、アルミ会社の業績が急に悪化したために能力主義の導入や強引な配置転換などで、40歳を過ぎた社員にはこれまでにない居心地の悪さを経験していた。


Wさんは、仕事より趣味の釣りをこよなく愛す人間で、職場に対して特別な不満があった訳ではなかったが、職場環境が急速に変わったことへの嫌気や趣味の釣りへの思い入れが強くなって、慌しく退職して預金と退職金と信金融資とで会社を作った。


翌2月には、ビルの一階にスペースを借りて店舗を開設。
工場勤務の時と違って、相手が人間だけに気疲れする日々だったが、話が釣 りとなるとWさんにはお手のもの。しかも、お客の相談にのるとそれだけ売上げも伸びるとあって、それまでにない張り合いのある毎日を過ごした。
世間の経営環境が悪いこともあって、W さんの会社は業界新聞や経済誌でも取り上げられるほど短期間で急成長した。02年秋口までは店舗運営は順調そのものだった。
ただ、釣りの閑散期になる11月以降は来店客数も売上げも急降下。
それまでの利益を食い潰したうえ、奥さんの預金からも借り入れをする始末。
03年の3月には、従業員の給料の支払いも厳しい状態に陥って、結局辞めてもらう。


それでも、4、5月の繁忙期に入ると再び来店客が増えて、息を吹き返したかと思えたが、その歳の暮れには再度資金繰りが厳しくなって店舗をそのままの状態で新しい店主に貸し出すカタチで廃業した。
現在は、食品卸会社勤めながら、少し残った信金からの融資の返済を行っている。
趣味と云うと釣り以外にないWさんは、今も休みの日には釣りを楽しんでいる。そして、将来の再度の釣具店開設のために、企業経営や計理の勉強に余念がない。
客としてみる釣り具店と、裏からみる釣具店は落差が大きすぎた。しかも、奥さんが開設に乗り気うすなこともあって、経営に素人のWさんが事前の準備もなしに、前に勤めていた会社での管理知識をそのまま釣り具店に持ち込んだために、個人商店規模の売上げ店舗を最初から会社組織にしたり、経理に税理士を依頼したり、世間体ばかりを気にした固定費のかさむ経営にしてしまった。
また、事業計画や資金計画にしても、融資を受ける信金向けに絵空事を書いていたような気がする。
何年先になるか分からないが、Wさんは再びあのワクワクする張り合いの ある毎日を過ごすために、再挑戦の機会を窺っている。
そのために、釣りの本に加えて経営書にも目をやる日が増えた。


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