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         独立開業

           『青空駐車場の上部を利用して起業がスタート 』

           3月中旬、新聞各紙はJR東京駅に近い八重洲で、青空駐車場の上に作られ
          たアルミ製フレーム構造材のオフィスを、写真付きで報道した。
           この不動産企画を考案し、青空駐車場の上の空間を有効利用するために起
          業したのがMさん(28)である。
           現在Mさんは、そのビジネスモデルが成功するか、失敗に終わるか、最も注
          目を集めている起業家と言って間違いない。

           Mさんは、理工系の学校を出て就職した先が、外資系のコンサルタント会社と
          いう、最近流行のコース。彼は、若くして起業を志しており、就職先での仕事も
          企業再生に係わるコンサルティングで、新規事業の立案やその後の戦略構築
          を通して、起業に向けてのスキルを磨いた。
           そのため入社して4年で会社を退社。05年6月には会社を設立して起業の準
          備を本格化している。そして、彼のビジネスプランを有名にしたのが、愛・地球博
          に併せて開催された環境省主催による「環境ビジネスプラン 2005」だ。

           このビジネスプラン・コンテストには、34件のプランが応募したが、Mさんの「駐
          車場から始まる都市再生」は、準グランプリを獲得した。このとき、グランプリには
          該当するプランがなかったから、実質的には最高のプランということになる。
           改めてMさんのプランを説明すると、都市部に増えているワンコインパーキン
          グや月極め駐車場の上空に、ぽっかり空いている空中権の利用を考えたもの
          で、そこにショールームやオフィスに活用できる構造物を建てる試み。
           最大の難点は、安くて丈夫で簡単に取り壊せる構造材の建設と思われたが、
          Mさんは静岡県清水市のアルミ建材メーカーに依頼して、建設基準法に準拠す
          る強度のパネル式構造物を作り上げた。
           壁や床、天井に1b四方のアルミフレームを組み合わせることにより、支柱が
          不要になり、スペースを広く使うことが可能になった。
           また、屋根の上には植物を植えることで、都市緑化を実現しょうというかなり欲
          張りなプランだ。

           このビジネスプランが軌道に乗ると、駐車場オーナーにとっては新たな収入源
          が増えるし、ショウルームやオフィスとして場所を借りる企業にとっても、目立つ
          ロケーションに安く宣伝効果のあるスペースが使用できることになる。
           また、都市緑化にも貢献できるとなると、Mさんの利益も含めてすべての関係
          者のメリットがバランスよく図られた最高のプランニングということになる。
           ただ起業を考えるとき、社会の流れや経済のニーズを考えたアイデアから入
          る起業と、自分の経験や技術を経済のニーズに沿わせる起業とに分けられる。
          前者は若者の起業に多く、後者はビジネス経験の長い中年以降の起業に多い
          とされるが、M さんのアイデア先行のビジネスプランには、果たして不規則な駐
          車場スペースの地形にどこまで構造物が対応できるのか、駐車場には接触事
          故がつきものだが、柱部分への接触で強度は大丈夫かなど、構造物のまった
          くの素人にも素朴な疑問は残る。
           また、屋根に植物を植える都市緑化への対応にしても、「環境ビジネスプラン
          2005」に応募するため、急遽付けたアイデアのような気もする。
           例えこんな疑問が湧いたにしてもM さんのビジネスプランには、わが国の緊
          急の課題である、大都市の土地の高度化利用に対する一つの解決策を提示
          していると思われる。
           これからの大都市での青空駐車場の利用のされ方と、Mさんの活躍には注目
          していきたい。       

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