わが国唯一の情報発信型起業サイト「転ばぬ先の起業講座」

　　　　　　　　　　

　　　　　　 　　　　　『規制緩和による、新たな起業は可能？』

　　　　　　　　　　　９０年代以降、わが国における大きなビジネスチャンスは、そのほとんどを政
　　　　　　　　　　府が実施する規制緩和によってもたらされてきた。
　　　　　　　　　　　通信の自由化から始まった規制緩和が、インターネットや携帯電話の普及を
　　　　　　　　　　促進し、ネットビジネスやモバイルビジネスの隆盛へと結びつく。
　　　　　　　　　　　金融の自由化では、保険商品の販売規制が撤廃され、誰もが代理店営業を
　　　　　　　　　　することが出来るようになり、証券取引の規制緩和では、取引手数料の規制
　　　　　　　　　　が無くなってネット取引が普及し、多くの個人投資家を生まれることになった。

　　　　　　　　　　　身近なところでは人材派遣がある。最近、急速に成長している業種の一つと
　　　　　　　　　　して、人材派遣業がよく取り上げられるが、この人材派遣にしてからが、９９年１
　　　　　　　　　　２月に派遣先企業の業種が大幅に拡大されたことによって、一気に産業界の
　　　　　　　　　　需要が高まった。
　　　　　　　　　　　マスコミに注目される起業家のほとんどが、この規制緩和によってビジネスを
　　　　　　　　　　立ち上げたと人たちと考えて間違いない。

　　　　　　　　　　　誰もが、次の規制緩和は何なのか注目するところである。
　　　　　　　　　　　実は、あまりマスコミは取り上げていないが、７月３１日に政府の規制改革・
　　　　　　　　　　民間開放推進会議の宮内義彦議長が、中間答申を発表した。
　　　　　　　　　　　この中間答申は年末に行なわれる最終答申に先立つもので、「皆さん、準備
　　　　　　　　　　をしてください」と云った性格を持つものである。
　　　　　　　　　　　今回は、放送・通信、教育、保育、外国人受け入れなど重点６分野に絞って
　　　　　　　　　　具体策を提言している。

　　　　　　　　　　　この中で、起業に関係すると思われるものはずばり２分野。
　　　　　　　　　　一つは保育に関する分野だ。すべての就学前児童が認可保育所に入れるよう
　　　　　　　　　　にすること、そのため保育施設に定められている施設の基準を緩和すること、
　　　　　　　　　　低所得層への配慮を条件に保育料の自由化をすること、認可保育所に対する
　　　　　　　　　　利用者の選択制度を導入すること、無認可施設との格差を是正することなど、
　　　　　　　　　　盛りだくさんの規制緩和が盛り込まれている。
　　　　　　　　　　　起業家にとっては、保育所による起業のチャンスと云うことだ。

　　　　　　　　　　　また、外国人労働者の受け入れでは、高齢者や障害者の相談業務などを行
　　　　　　　　　　なう社会福祉士と、高齢者の介助などを行なう介護福祉士で、外国人労働者
　　　　　　　　　　の受け入れを提言している。
　　　　　　　　　　　これからの少子・高齢化を考えると、外国人労働者の受け入れは避けて通れ
　　　　　　　　　　ない道ではあるが、厚生労働省などからは反対に声も上がっている。
　　　　　　　　　　　ただ、人材派遣業界などでは、外国人労働者の派遣をこれからの課題として
　　　　　　　　　　積極的に考えている会社もあり、ここにも、起業チャンスがあると考えられる。

　　　　　　　　　　　介護制度が導入されるときも、産業界には賛否両論があったが、結局大きな
　　　　　　　　　　リスクを背負いながらも、積極的に拡大路線を突っ走ったグッドウィルグループ
　　　　　　　　　　（旧・コムスン）の折口雅博会長や、ニチイ学館の寺田明彦会長などが、大きな
　　　　　　　　　　果実を受け取ることになった。
　　　　　　　　　　　保育分野や外国人受け入れ分野での直接の起業ではなくても、その周辺事
　　　　　　　　　　業による起業にも追い風は吹きそうだ。
　　　　　　　　　　　どのような起業になるかは、これからの発想の勝負だが、この分野に関心の
　　　　　　　　　　ある人、起業を目指す人には真剣に考えて損のない規制緩和だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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