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『京都の町家宿泊ビジネスに学ぶ起業スタイル』

平成19年7月17日

 わが国では、2005年から人口の減少がはじまっています。人口が減ると、起業チャンスも相対的に減るのではないかと心配されている向きも多いようです。
 人口減少の先進国ヨーロッパでは、フランスが19世紀から既に人口減少に直面していますし、他の国も20世紀には減少が急速に進み、そのための対策も採られてきました。
 人口減少対策で注目したいのは、観光誘致政策です。人が少なくなって使われなくなった施設やマンパワーを観光客向けに利用することによって、新たな起業チャンスを生んでいることです。


 わが国でも同様の試みが京都で行なわれています。数年前から京都市街において、使われなくなった古い住まいを改装して、観光客向けに貸し出す町屋の宿泊施設です。
 現在は「庵の京町家ステイ」と「新洞食料老舗」の2つの組織が事業化して営業を展開しています。
 「庵の京町家ステイ」は、東洋文化研究家のアレックス・カーさんなどが京都の町家と日本文化の保存を目的に、03年12月に株式会社 庵 を設立して事業化しました。現在、修理補修が完了した6軒の町家が、2人〜10人くらいまでのグループや家族に、数日の短期から数十日の長期ステイまで利用されています。
 「新洞食料老舗」は、京都で130年以上の歴史をもつ同名の米穀店が、自社で所有している町家3軒を利用して営業しているもので、こちらは3人程度が1泊から最長10日までのステイを受け入れています。


 どちらにも共通しているのは、旅館やホテルといった宿泊施設として営業しているのではなく、宿泊希望者に町家を貸すレンタル施設として営業している点です。
 そのため、旅館業法などの許可を取得する必要がなく、営業許可が簡単なこと。また、どちらの町家も京都観光では密かな人気施設になっていて、予約を取るのも半年後といった具合に大変な人気になっています。
 お客さん向けに食事の用意はしないため、夜は各自が京の街にでて自分で食事をとり、朝食は各自が事前に用意をしたものを食べます。しかも、歯ブラシやパジャマなども各自に持参してもらいます。
 営業許可と同様に、お客さん向けサービスをほとんどしないため、多くの従業員を必要としないこともこの事業の有利な点です。


 最近の観光の新しい潮流は、「体験」、「経験」、「滞在」と云われます。従来のあらかじめ決められた観光コースを、一瞬見学するだけの観光はほとんどが廃れています。
 また、京都の町家での宿泊は、外国人観光客に人気が高く「庵の京町家ステイ」では約3割を占めるまでになっていたり、「新洞食料老舗」では同じ京都の郊外に住む人たちが町家体験をするために泊まるケースも多いようです。
 この施設利用は、何も京都に限る必要はないように思います。全国各地の古い街並みには、使われなくなった住宅がありますし、観光地として売り出そうとしている土地に旅館やホテルのない街は一杯あります。
 京都町家の人気の秘密を分析して、各地にリニューアルした民家のレンタル宿泊施設を作ることも、これからの時代の新たな起業ということになるのではないでしょうか。


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