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『アントレが月刊から隔月発行へ変わったワケ』

平成20年8月29日

 「アントレ」という名称は、フランチャイズビジネスの代名詞となるほど広く知られていますが、リクルートが1997年から発刊している起業情報月刊誌です。
 そのアントレが08年10月号から、偶数月だけの隔月誌に変更されました。雑誌の年間発行回数が変更されるのは、そのほとんどが企業からの広告量の増減が原因です。アントレの場合は、フランチャイズ企業の広告出稿の減少が大きいと思われます。
 アントレを通して、フランチャイズビジネスの最近の動向を探ってみました。


 フランチャイズビジネスといいますと、その代表格にコンビニエンスストアがあります。全国には44542店(07年)のコンビニ店がありますが、その大半は個人事業主が経営するフランチャイズ加盟店です。
 そのコンビニ店ですが、05年を境にして急速に出店数が少なくなっています。広くコンビニ残酷物語など加盟店の厳しい経営が知られるようになり、本部だけに一方的に有利な契約の内容、最長では15年に及ぶ長期の契約、長い労働時間など加盟する人がいなくなりました。各加盟店の売上げも、年々減少していることから今では、すっかり人気のないフランチャイズになっています。
 他方、関東地方を走る西武鉄道は、ファミリーマートとフランチャイズ契約を結んで、駅の売店をコンビニ加盟店とすることにしています。また、薬のマツモトキヨシは、長野、長崎、岡山など、これまで出店していなかった地域では、地元のドラッグストアとフランチャイズ契約を結んで、全国の販売網を着々と作りあげています。
 現在、フランチャイズビジネスは、個人加盟店の加入が不振な反面、対企業との契約はこれまでになく活発になっています。


 個人加盟のフランチャイズが不振な原因としては、ビジネス契約に対する知識の有無が大きく影響していると思われます。同じ個人でも、過去にフランチャイズの経験があったり、開業する業種の実情に詳しい人の場合、フランチャイズで成功する確率は高いと云われます。
 一方、まったくの素人が、商売の一から本部企業に学ぼうとする人の場合は、やはり行き詰っているケースが多くみうけられます。
 フランチャイズ本部にとっては、素人を相手にビジネスを展開するのはとても楽ですが、その結果上手くビジネスが回転しないと加盟店から、騙されたの苦情を受けることになります。現在は、この諸刃の刃とも云える本部がとても多く、セブン・イレブンや「まいどおおきに食堂」のフジオフードシステムなど、加盟店から法的に訴えられている本部も少なくありません。


 アントレの不振は、このような個人加盟から法人加盟への流れによるものと、独立開業を目指す人の警戒心が紙面に現れて、加盟希望者の減少が、フランチャイズ企業の減少につながり、それがアントレの広告不振にあわられているものと、二つの流れがあると思います。
 ただ、フランチャイズ手法による経営形態は、どの会社も同じような目で見られがちですが、実は優良フランチャイズ企業と詐欺紛いのフランチャイズ企業では、その実態は180度違っています。
 アントレにとって辛いのは、フランチャイズによって新規の加盟店集めが順調にいっているような会社は、その後は広告の出稿を行なわないことです。「築地銀だこ」のホットランドは、現在は銀だこのFC加盟店の募集が行なっていませんが、この業態は広告を打つまでもなく、既存の加盟店が新たな地域で開店してしまうために、優良なフランチャイズ企業ほどアントレ離れを起こします。
 フランチャイズでの独立開業を目指す人も、フランチャイズとして企業を見るよりも、株式の投資などと同じように、フランチャイズのビジネスノウハウを買う視点で、個々の企業を見る方が間違いがないと思います。


 フランチャイズビジネスでの独立開業を目指す方は参考にして下さい


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