転ばぬ先の起業講座
年齢を重ねて、真剣に人生と仕事を考えるための起業サイト
携帯からご覧の方は起業相談携帯用サイト

『"100年に1度"の大不況は日本で起こる?』

平成20年12月15日

 サブプライム問題の発生以降の米国経済を「100年に1度の危機」と云ったのは、1、2年前まで100年に一人の金融の神様と言われた、アラン・グリーンスパンさんです。
 1987年から2006年まで、米国第13代連邦準備制度理事会議長を勤めたグリーンスパンさんは、87年の金融危機「ブラックマンデー」を乗り切り、90年代の米国経済の好景気を演出したと言われます。
 一方で、この時代の規制緩和策がサブプライムを生み、現在の「100年に1度の危機」の原因となっているわけですから、あざなえる縄のように禍福は誰の元にも訪れます。今、不遇を嘆いている人も、いつ幸運が訪れるか分りません。
 問題は、時の首相までもが「100年に1度の危機」のためには、議会の解散より、緊急の経済対策を進めるほど大変な事態なのかということです。


 現在、人材派遣や請負社員の首切りがマスコミに大きく取り上げられています。ただ、東京での決起集会の参加者が2千人、組合を結成して行動を起こしている人も1工場の4、5人程度ですので、今のところは将来への不安からくる話題が先行して、実態が遅れて続いている状態です。
 人材派遣の人たちについて云えば、大災害時の緊急至難と同じように宿泊する場所を確保するとか、人手不足の会社に仕事を斡旋するとか、人生設計で相談に乗るとか、行政が責任をもって対応すべきことです。ただ、今回のように大騒ぎすることは、それなりに意義のあることと思います。
 問題は、派遣の人のクビ切りの後に、正規従業員のクビ切りが起こるのかです。本来景気の谷は、急激に下降した時は上昇も急激に起こります。10月、11月のように消費が一気に冷え込んでもそれは一時的なもので、いつまでも買わないで我慢するようなことはありません。政府の安定化策などによって徐々に消費は戻るものですが、今回は”100年に1度”が一人歩きしているために、消費の戻りが遅れています。


 日本は、バブル崩壊後の不良債権処理で大変な金融危機を10年前に経験しているため、米国や欧州と違って金融機関も企業も財務内容は健全です。
 逆に今回の金融危機では、非正規雇用の人のクビ切りは早すぎて、そちらの問題を指摘したいくらいです。また自動車産業などでは、高い収益に比較してあまりに労働配分を低くしてきた結果、労働者の給与が細って回り回って自動車の売れ行きが減少する、自分の首を自分で絞める結果を招いています。
 ただそれでも、日本経済は米国や欧州とは違って、大企業の倒産が続発したり、大量の失業者が出るような大不況にはならないとわたしは思っています。 大企業の財務内容がどこも健全なことと、今も人手不足の業種が多くあって、やる気さえあれば仕事がまったく見つからない地域は限られているからです。
 最大の不安定要素は、現在の政府は不況への対応を存在意義にしていますので、09年9月の任期まで不況を引きずりたい誘惑に負けることです。また官僚も、90年代の経済緊急政策で数百兆円に及ぶ大盤振る舞いで、おすそ分けをたっぷりいただいた経験から、不況を歓迎する空気が充満していることです。
 われわれと違って、官僚は景気が良かろうと悪かろうとまったく無縁の世界に住んでいる人たちです。不況の方が、存在価値が高まると思っている人さえいそうなのが、現在のわが国の官僚です。


 わたしは、この大不況が収まって世界的に好景気が訪れたとき、日本は膨大な財政赤字から国債の償還が不能になったときの事態の方が格段に不安を感じています。
 国の予算に占める国債費の比率が、これまで以上に高くなったとき、格付けを大幅に下げた国債の買い手がいなくなって、そのため金利が高くなる悪循環が始まるときがわが国の本当の危機です。このときは、公務員の大量解雇や予算の大幅削減が現実味を帯びてきます。
 誰もが気付きはじめていますが、政府も会社も当てにならないのが現在の日本です。いつ組織から飛び出しても生きていけるように、今から起業の準備をすることは重要です。
 もし、実際に飛び出すことがなければ、それはそれでラッキーですし、起業のノウハウは今の仕事に役立ちます。今大切なことは、「100年に1度」の言葉に振り回されずに、自分自身で現状と将来の身の回りの景気分析をすることではないとか思います。


 <<トピックスインデックスに戻る

起業に最適な時期などありません
思いついたその時が、起業相談のタイミングです
起業相談はこちらをクリックしてください


起業のための
こんな話、あんな話が
掲載されているメルマガです
    ↓ 
  
メルマガ購読・解除
起業を目指す人へ 「転ばぬ先の起業講座」   毎日発行
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
    
    


「転ばぬ先の起業講座」30歳を過ぎて真剣に人生と仕事を考える時の起業サイトです。