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『起業時に忘れがちな商標の存在』

平成21年4月13日

わたしの手元に一通の文章があります。
「登録商標削除の要望書」と書かれた文章の内容は、発送元の会社の自己紹介とともに、わたしのクライアントが使用している商品名は、要望書の会社が平成15年に登録している商標権を侵害していると云うものです。
また、不正競争防止法にも違反しているので、早急に商品名の使用を中止してくださいと言う趣旨です。言外には、もし削除されない場合は、法的処置を取らせてもらいますと云った意味が込められています。


現在、このような商標権や著作権への侵害に対し、使用中止を求める会社が増えています。多くの商標や著作を保有する会社自身が監視するだけでなく、専門の監視会社が存在していて、会社に代わってWebサイト上の監視を常時行う体制も整備されつつあります。
このような警告を受けたとき、早急に削除なり変更をしない場合は、例え故意には侵害する気がなかったにしろ、「差止請求」や「損害賠償請求」、「不当利得返還請求」、「信用回復措置請求」を受けることになります。
ネットの世界ではよくある、アダルト動画を見たことで不正請求される事案と同列に考えて無視していると、その後法的な処置により大変な目に遭うのが知的財産権の世界です。


起業する場合、他人の知的財産権を意識しないで起業することが難しい時代になっています。商品名やサービス名を決めるにしても、既に商標登録されている名称の使用は権利の侵害になります。 以前は、設立する会社名について、近隣の会社と重複しないように注意が必要でした。こちらは、06年5月の会社法の改正によって、同一市区町村内での同一商号の使用が認められるようになっています。
現在は、ネット社会の時代です。同じ街に同じ社名の会社があることは、新たに起業する側に不利に働きます。逆に商品名やサービス名の場合は、ネット社会では全国に流通するわけですから、既存の権利を守る必要があります。
そのため、起業にあたっては、自分の商品名やサービス名が既に商標登録されていないかチェックすると同時に、積極的に商標登録をすることで、自社の知的財産を守ることができます。
商標の登録料は、通常1つの名称で10年間に37600円です。この他に、申請にあたっては弁理士や弁護士に書類作成の代行を依頼しますと、別途費用がかかります。商標権の場合は、申請当人が書類を作成するケースも少なくありません。


現代は知的財産の時代と云われます。大きな経済成長が期待できない現代は、守りの経営が主流になって、現在持っている財産を最大限生かそうと知恵を絞っています。
悪意がなくても他人の商標権を侵害しますと、法的に使用中止が求められ、損害賠償もしなくてはいけません。起業したばかりの会社では、直ぐに存続が危ぶまれる事態になりかねません。
商品名やサービス名の命名とその使用法については、起業前から戦略を考えておくことです。起業では、お客さん作りと同じように、商標作りを考える必要がありそうです。


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