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『起業に絶対成功する方法を考えるより・・』

平成22年7月8日

 起業には、絶対に成功する方法などありません。例え、一瞬だけ絶対に成功する方法があったとしても、ビジネスはゴーイング・コンサーン、継続し続けることですから、決して成功とは言えません。ただ、このような経営をしていては、絶対に失敗すると言うことならあります。コカ・コーラのドナルド・R・キーオ元社長がまとめた話が有名です。


 最初は、「リスクを取るのを止める」ことです。起業家も、成功するか失敗するか難しい判断を迫られたとき、逃げずにリスクを取ることです。起業の成功、失敗を決めるのはお客さんです。お客さんが支持する起業は成功します。こればかりは、幾ら起業家に確信があっても、最終的な判断はお客さんの行動だけが頼りです。しかも、支持してくれて、ちゃんとお金を払ってくれて成功に近づくことになります。


 次は、「経営者が柔軟性をなくす」ことです。人間、ビジネスが順調に回転しているときは、頭の回転も柔らかくなります。アイデアが次から次に、面白いように生まれるときです。反対にビジネスが行き詰まりますと、一点を中心にグルグルと同じ場所を廻り続け、犬の尻尾追いのようなことになります。この頭の柔軟性がなくなる時は、身体も硬直化していますからおかしな現象です。


 「従業員を遠ざける」ことも失敗の原因です。よく、経営者は孤独な職業と言われます。企業経営においては、資金繰りやお客さんクレームなど、あまり他人に口外したくないことがよく発生します。最初の時点で話してしまえば何ともないことも、一度人に話すタイミングを失いますと、次々と秘密が増えてきます。


 特に、クレームなどは全社的に情報の共有化をしておくと、その後の対応が楽になるのですが、共有化をしそこないますと、後ろ向きの企業秘密になってしまいます。それが増えてきますと、遂には従業員との会話がなくなります。そのため、現代のビジネスでは最も重要な現場の声が経営者に上がらなくなります。従業員とのコミュニケーションは、そのまま企業業績に比例する時代ですから、失敗へまっしぐらに進むことになります。


 従業員と距離を置く代わりに、「外部コンサルタントや税理士、社会保険労務士など専門家を全面的に信頼する」点も特徴です。コンサルタントのわたしが言うのですから間違いありません。ビジネスにおいては従業員からの現場情報が7割で、コンサルタントが提供する世の中という意味での外部情報が3割程度聞くことです。税理士や社労士のビジネス情報は、専門分野を除きますとあまり当てになりません。


 また、経営者が一言いうと情報が隅々にまで直ぐに流れる、「硬直的な官僚組織が好き」になります。企業と官僚との違いは、企業が商品やサービスを売るためあらゆる試行錯誤をするのに対し、官僚は以前から踏襲されている方法しか行ないません。新しい試みをすることはありません。そのため、組織は自然に小さくなります。会社も小さくなって、従業員ばかりが多くなります。


 そして最も大切なことですが、「経営者が考えることをしなくなる」ことです。難しいこと、わずらわしいことから避けるようになります。経営者が従業員に向かって、「君たちで上手くやって!!」と言い出したら、会社組織に黄色信号が点滅しています。経営者だけではありません。例え今は従業員であっても、起業を目指す人は、難題に立ち向かって考えて考えて考え抜くことです。


 「仕事への熱意を失った」経営者も、失敗へ突き進みます。よほど計画的に自分をコントロールするカタチで事業を進めないと、同じ仕事だけを10年、20年と続けていると苦痛になります。ただ、そのような経営者のためではないでしょうが、経営環境の変化が起こり事業に波風が立ちます。この変化に対応しようとしなくなった経営者は、間違いなく退場の時期を迎えています。


 また、日ごろ従業員への話に「一貫性のないメッセージを発するようになったら」、そのときも失敗が間近いことを意味しています。このような時の経営者は、間違いなく経営理念を失っています。自分が何をするべきなのか、何を求められているのか、基本的なことを考えることさえしなくなっています。


 このような人は、「将来を恐れていて」、「人生の熱意を失って」います。もうヤル気を失った経営者です。起業は、経営者にとって仕事というよりも、その人の生き方そのものです。仕事が好き嫌いと言うよりも、生き方ですから何としてもやり抜かなければなりません。それほどの覚悟が必要です。失敗することは、起業家本人と、従業員や関係する人にも迷惑をかけます。


 これまで上げた10点が、失敗へ通ずる方法です。起業前には、そんな失敗を自分はしないと思いがちです。ただ、経営環境はそうそうあなたの味方ばかりをしてくれません。失敗に向かわないためには、事前に自分に適した仕組みを考えておくことです。起業はやりがいがありますが、同時に失敗したら痛い目にあいます。もし、この失敗への行動を突き進んでいる社長の元で働いているあなた、起業への準備の速度をもう少し速めるべきです。


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