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                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座

              


             『 ネットショップに待ち構えているリスク 』

           最近は、インターネットを活用した低費用での起業が多くなっており、なかで
          も代表例であるネットショップの開設はますます増えている。
           主婦や学生にまで起業意識が浸透してきた結果、ネットオークションで実績
          を積んだ上でネットショップに参入したり、リアルのショップと同時にネットショッ
          プを立ち上げたりと、到達までのプロセスは色々だが、安上がりで使い勝手の
          良いネットショップの開設需要は多い。
           そんななか、ネツトショップ最大手の楽天市場を運営している楽天が、ネット
          ショップ「石けん百貨」で楽天市場に出店していた生活と科学社から訴訟を起
          こされて話題をよんでいる。

           ことの経緯は、1997年5月の楽天市場開設以来、他サイトに比べて月5万
          円の格安出店料を売り物に市場を成長させてきた楽天が、02年2月に従来
          の基本料金に加え、月間の売上高やメール配信数に応じた超過料金を徴収
          する新料金体系への移行を宣言、4月から一方的に実施に移した。
           04年4月からは、外部Webサイトへのハイパーリンクを禁止し、商品説明は
          楽天市場の中だけで行なうよう情報を規制。
           同時に、各店舗から商品を購入した顧客情報に関しては、楽天だけの管理
          下に置かれることになり、楽天市場での出店を止めると顧客情報を一切利用
          できない事態になった。
           楽天市場では大手だった生活と科学社が、この事態に楽天への抗議を行な
          うと、楽天側は出店契約期間満了に伴う解約ということで、楽天市場から「石
          けん百貨」のサイトを閉鎖してしまう強攻策にでた。

           ネットショップだけでなく、新しい販売形態が社会に認知されるまでには、さま
          ざまなトラブルを引き起こすことはよくある。
           古くは、スーパーが都市に出店する際には、地元商店と多くのトラブルを引き
          起こしたし、コンビニエンスストアの出店でも、加盟店との間に多くのトラブルを
          起し、混乱は現在も続いている。
           ただ、ネットショップを出店する起業家の側としては、漫然と「そんなこともある
          んだ・・」と他人事のように考え、出店セミナーで楽天担当者の言うことを鵜呑
          みにすることなく、出店規約をしっかり読んで、事前に納得できるかどうか自問
          することが大切だ。
           楽天には、旅行予約サイト最大手の「楽天トラベル」が、全国の旅館やホテ
          ルに対し、宿泊予約代行の手数料を現行の6%から7〜9%に一方的に引き
          上げて、宿泊業界の猛反発を買うことが今年の9月にあった。
           また10月には、プロ野球球団の「東北楽天イーグルス」で、就任時3年契約
          の田尾安志監督を球団創設の初年で解任するなど、自分より弱い立場の相
          手対し、契約を一方的に打ち切ることに躊躇ない体質が感じられる。

           一見、ネットショップは誰でも簡単に開設できそうに思うが、誰でもできるだ
          けに競争が激しい。また、競争の激しいことをいいことに、モールの運営会社
          に付込まれる余地も大きい。
           また、ほとんどコストを掛けずに開設できることが喧伝されているが、実際は
          開設した後での宣伝広告やパブリシティーによって、ショップ盛隆の命運は決
          まると言ってよい。
           思い切ってネット上での宣伝や既存メディアでのPRに資金をつぎ込むことの
          できるサイトに、多くのお客さんが集まる。この辺の市場認識を十分してなけ
          れば、モール運営会社だけに利益をもたらせることになる。
           ネットビジネスにおける企業資産というと、精々運営ノウハウと顧客リストぐら
          いのもの。そのリストまで取り上げられると、楽天市場を止めるとき何も残らな
          いことになる。
           ネットショップ開設にあたっては、このあたりの現在の環境をよく知ったうえで
          実施されることをお勧めする。

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