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             『債権法改正がフランチャイズ契約を変える 』

           債権法が110年ぶりに改正されるということで、大きな話題をよんでいる。
          法務省が改正に向けて「民法改正委員会」を設置するニュースを、日本経済新
          聞が1月4日付、読売新聞が5日付の朝刊で報じた。
           ただ、日経が09年の通常国会へ改正案提出を目指すとしているのに対し、
          読売は08年の国会提出としていて、1年のずれがあるところが違っている。

           1896年(明治29年)に制定された民法の「債権」は、契約時の取り決めなど
          を定めている。この時代、まだ商取引が一般的ではなかったので、契約自体が
          非常に曖昧なカタチで使われてきた。
           現在、使用されているフランチャイズ契約には、明確な法的根拠はないとされ
          ている。そのため、基本的には当事者間の合意だけに基づいて契約がなされ、
          トラブルが起こると、ケース・バイ・ケースの対応がなされているのが現状だ。
           フランチャイズ契約が、商法ではなく、民法で規定するというところがよく分か
          らない。多分に、制定当初にお手本としたドイツ、フランスの法体系において、
          債権を民法によって規定しているところから始まっているような気がするが。

           フランチャイズ契約においては、現在、契約時の取り決めで問題となるのは3
          点に大別される。

           一つ目は、本部が決めた契約事項を加盟店が受け入れた後、契約の中途解
          約を巡る問題である。
           現行の契約内容によると、契約期間内に加盟店が解約を申し出た場合、ほと
          んどの契約では、加盟店が本部に対して違約金を支払うことを義務づけている。
           そのため、違約金を払うことのできない加盟店は、赤字経営であっても、契約
          期間中は営業を続けざるを得ないことになる。
           本来、フランチャイズ事業は、本部の経営ノウハウ通りに事業を行なうと黒字
          になるという前提で進められるはずの事業だ。それが赤字ならば、責任は本部
          の側にあるのか、加盟店側にあるのか、本来なら大きな問題のはずなのに、本
          部側の作成した契約書では、多くは一方的に加盟店の責任にされてきた。

           二つ目は、フランチャイズ契約の前提となる、本部が作成する出店シュミレー
          ションである。
           起業を志しているとはいえ、ほとんど素人同然の加盟店希望者に対し、本部
          側は既存の加盟店の成功例を見せて、フランチャイズ加盟を勧めるのが常套手
          段になっている。
           01年に行なった公取委の調べでは、売上予測において「実際の売上高の方
          が高い」23.0%、「説明どおり」25.1%なのに対し、「実際は低かった」が44
          .6%と、ほぼ予測の当たる確率は5割なのだ。
           契約の前提条件がこのように、当たるも八卦当たらずも八卦では、契約自体
          に対する加盟希望者の信頼が揺らぎかねない。

           三つ目は、出店を断念したにもかかわらず加盟金を返還しない問題である。
          この場合、出店する店舗も決まらず、オーナー研修も終えていない初期の段階
          で、営業エリアを確保する必要があるということで、エリア契約をさせられるとき
          に多額の加盟金相当額を徴収されるシステム。
           ある種、手付金に似た支払いではあるが、このエリア契約の加盟金を、出店
          に断念したときでも返還しない問題が、最近急速に多くなっているのだ。

           多くの問題を抱えたままのフランチャイズ契約が、債権法改正によって法的な
          根拠を得て、起業を志す人のリスクが軽減するならば大歓迎だ。
           フランチャイズによって起業する人にとっても、この時期、慌てて契約を結ぶか
          2、3年時期をずらせて債権法改正以後に契約を結ぶか、決断を迫られる時で
          ある。
           フランチャイズで起業して失敗する人のほとんどが、契約と出店を急ぎすぎた
          という結論を出している。数百万円から数千万円にも上る投資である。じっくり
          考えて、考えすぎと云う事はない。

                          
          フランチャイズによる起業をお考えの方は、
                      フランチャイズ加盟マニュアルをご利用ください

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