トップ ページ      トピックス    起 業 の 基    独立開業
  起業相談    研究所理念  起業の目(ブログ)   お勧めの書籍
                

                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座

          


            『 コンビニ店の起業がいよいよ難しい時代に』

           世の中には、一面からだけ見ていると素晴らしい会社に見えるが、横や後ろ
          から見てみると、首を傾げたくなるような会社が決して少なくない。
           全国のコンビニ店をまとめているコンビニ大手各社も、わが国の流通業界を
          代表する会社が多く、財界の顔とも云える経営者がいたりして、正面から見て
          いる分には売上げ、純利益とも過去最高を記録している素晴らしい会社ばかり
          である。
           しかも、マスコミが取り上げるコンビニの話題も、「フライドチキンの熱い戦い」
          とか、「不在交番の増加に代わって、コンビニが深夜の安全を守る」など、好意
          的なネタばかりだ。
           テレビ局や新聞社にとって大手コンビニ各社は、気前のよいスポンサー企業
          なのだから、あまり裏の顔は報道したくない事情もあるのだろう。
           ただ、連日各地で開催されるコンビニ開店説明会では、十分な情報を得るこ
          となく10年、15年の長期契約を結んでコンビニ加盟店となり、後で後悔してい
          る起業家が多いのも事実だ。
           米国から上陸して約30年、画期的と云われたコンビニ店舗網のビジネスモデ
          ルも、構造改革が進行するわが国の流通業界にあって、そろそろシステム疲
          弊がでてきているようだ。

           セブンイレブンを除くコンビニ大手各社は、今年度から新規加盟店の契約に
          際し、法人企業との契約を積極化させる方針を決めた。
           これまでは、個人事業主やスーパーフランチャイジーと呼ばれる各社フランチ
          ャイズ・チェーン(FC)の加盟店専門に数10店舗も運営する会社だけを相手に
          コンビニ店契約を行なってきた本部が、これからは駅の売店や系列ショップを
          抱える電鉄系小売店会社や、商社の流通子会社、農協などと契約して、各地
          のコンビニ出店を依頼することになる。
           底流には、景気の上昇にともなって雇用の改善が急速に進んでいるため、コ
          ンビニ加盟店による起業の担い手が減少して、本部の出店計画が見直しを迫
          られている事情がある。
           コンビニのような FC 経営では、新規出店にかかるコストは加盟店が持つケ
          ースが多く、売上げに対しては一定のロイヤルティー収入が入る。
           店舗を出せば出すほど、持ち出しはゼロなのに収入だけが増える仕組みな
          ので、勢い会社の収益を増やすために、加盟店の事情などお構いなしに出店
          数を増やして、売上げを最大化させる現在の経営スタイルがベストと云うことに
          なる。

           ただ、これまでの個人事業主が相手ならロイヤルティーをはじめ、契約の諸条
          件はコンビニ本部のいいなりだったが、相手が大手企業の系列と云うことにな
          ると、これまで取り放題だった粗利益の30%〜50%と云われる本部のロイヤ
          ルティーは当然見直しを迫られる。
           すると、従来の個人事業主向けのロイヤルティーと、法人向けロイヤルティー
          の二本立てにならざるを得なくなり、加盟店側の出方次第では現在の経営スタ
          イルを維持できない事態を招く恐れがある。
           最大手のセブンイレブンが、法人企業との契約に躊躇する理由もここにある。
          法人企業の参入によってコンビニの本部と加盟店との力関係が変わることが
          あると、コンビニ最大手のポジションを維持していくことが難しくなるからだ。
           ここでは、セブンイレブンの将来よりも個人事業主のコンビニ加盟店での起業
          が問題だが、法人企業の参入による発言力の強化は、相対的に弱小資本の
          個人事業主の発言力をこれまで以上に弱くする。

           コンビニ各社は、加盟店経営者に対しては一様に「オーナー」、「オーナー」と
          下にも置かない対応が徹底している。
           だがその裏では、コンビニ店の資金管理は本部が行なっていて、加盟店側は
          営業に専念するという名のもと、経営に関するノウハウはまったく身につかない
          のが現実だ。もっぱら、家族総出の労働とアルバイトの手配、本部からの指示
          通りに商品の陳列を行い、分刻みで時間に追いまくられる毎日では、自分が起
          業したのか、オーナーという名の職種に就職したのか、分からなくなるという。
           しかも、10年、15年という長期契約で縛られ、契約を破棄しようとすると、高
          額の違約金が待ち構えているお決まりのパターン。
           最近、起業相談にも多くの加盟店オーナーからの相談があるが、ほとんどは
          契約終了をもって解約する予定だが、その後の起業にはどのような業種がよ
          いかという相談がほとんど。
           その結果意外と多いのが、コンビニへ転換する前の系列に入らないコンビニ
          酒店に戻るケース。また、長かったコンビニ経営で家族に大きな亀裂を生んだ
          ために、起業を断念するケースも多い。
           コンビニ起業は、曲がり角の状態から、既に曲がり切った状態へと変化した
          可能性が強く、まだこれからの起業を考えている人には、気の毒な環境のよう
          だ。

                
          フランチャイズによる起業をお考えの方は、
                      フランチャイズ加盟マニュアルをご利用ください                                                  戻     る
                       
                             copyright(C) 2006 OSA研究所起業 ALL right reseved