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                起業を目指す人のための転ばぬ先の起業講座

          


               『 稼ぐ会社が多い製造業での起業 』

           ここ3、4年の起業の主流は、インターネットを利用してのネットビジネスが占
          め、次いで介護保険の運用による福祉関連での起業、フランチャイズチェーン
          に加盟して実店舗での販売・サービスといったところが、起業の3つの大きな
          流れということになる。
           モノづくり大国・ニッポンなのに、製造業での起業が最近はすっかり影が薄く
          なっている。
           所が、中小企業の会計事務を行なっている大手会計処理システムのTKC
          調査によると、17年10-12月期の業種別の黒字比率は、医院の78.7%が
          最も高く、次いでダンボール製造 77.3%、電気めっき業 76.2%、金属工作
          機械製造 73.9%、工業用ゴム製品製造 71.4%と、軒並み製造業種が並
          ぶ。他の業種で目立つのは、金属スクラップ卸業の74.1%とごみ収集業の72
          .1%があるだけだ。
           現在はネットビジネスの時代だ、介護の時代だ、と起業家が同じ方向ばかり
          に向いているが、実はモノづくり大国・ニッポンでは製造業が今もしっかり利益
          を上げていることが分かる。

           横浜市でプリント基板メーカー・アレイを01年3月に設立した堀部基至さんは、
          高校を卒業してから電機部品メーカーでプリント基板の営業を専門に行なって
          きた。
           プリント基板は、あらゆる電機機器に装着される電気回路の配線板で、それ
          を製造しているメーカーも大変な数になる。当然、忙しくて悲鳴を上げている会
          社もあれば、暇で暇で悲鳴を上げている会社もある。各社が、注文の山と谷を
          繰り替えしていて、製品メーカーからの注文を待つ会社である以上、安定した
          受注というわけにはいかない。
           堀部さんは、この受注を待つ暇な会社に注目していた。彼は起業をすると、そ
          れまでの部品メーカー時代の営業マンの顔を活かして、周辺の基盤メーカーを
          一軒一軒廻って業務提携を行い、プリント基板の製造を依頼して歩いた。
           一方で、大手の製品メーカーを廻って、主に試作品で使うプリント基板の注文
          を取って歩いた。試作品を作る場合、ほとんどが事前に製造予定のない特急と
          呼ばれる急な注文なので、ほとんどのプリント基板メーカーにとってはやっかい
          もの。
           堀部さんは対応するスピードの速さを売りものに、どんな時間でも大手の製品
          メーカーから注文をとると、まず自社で基板設計だけを行い、次いで提携してい
          る約300社の中で、仕事の空いている会社に製造を依頼する方法で注文の仕
          事をこなしている。
           アレイの業績は、設立当初の02年から4年連続の増収増益で推移しており、
          05年度が4億3500万円、今年度は7億円の売上げ見込みと、バイバイゲーム
          に近い成長を遂げている。

           わが国の製造業は、90年代後半から安い製造コストを求めて、中国をはじめ
          東南アジアの各国に製造拠点を移してきた。
           ただここにきて、世界的な好景気と重なっているため、各国の人件費や材料
          費の高騰が激しく、特に中国での製品製造には黄信号が点り始めている。キヤ
          ノンをはじめ、国内製造に切り替える企業が出始めているんのだ。
           一方わが国内での中小製造業は、金型や金属加工などの業種で起業する人
          はほとんどなく、現在製造を行なっている会社も後継者難から廃業に追い込ま
          れる会社が後を絶たない。
           また物流や通信技術が進んでいるので、自前の工場を持つことなく、台湾、
          中国、マレーシアなどに多い受託生産企業に製造を依頼して、研究開発、技術
          開発、製品企画、設計、マーケティングなどに専念するファブレス企業による製
          品製造のカタチも多くなっている。
           人と同じスタイルで行なう起業には、果てしのない競争が付いて回るが、人が
          まだ行なっていないスタイルの起業には、オンリーワンの利益が付いて回る。
           製造にかかわる仕事に従事して起業を考えているあなた、もう一度回りを見
          渡して起業につながる種が落ちてないか、鋭くチェックしてみては?

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