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『不二家にみるフランチャイズ起業のリスク』


平成19年1月17日
 不二家の洋菓子店が、フランチャイズ(FC)であることを知らなかった人は多かったようだ。TSUTAYA、ダスキン、銀座ライオン、ロッテリアなど、FCで成功している企業の一社と云えるだろう。
 その不二家が、消費期限の切れの牛乳を使ってシュークリームを作っていたことが発覚して、自主的な営業停止へと追い込まれた。その後は、賞味期限切れのアップルパイやら期限偽造のプリンなど、品質管理のずさんな体制が明らかになって、フランチャイズ加盟店だけでなく、不二家自身の存続さえ危うくなっている。
    
 わたしは、2000年に起きた雪印乳業の集団食中毒事件と考え合わせて、@ 会社の規模、財務内容を考えると、雪印の方が格段に優良な会社だったのに分割解体に追い込まれた A 雪印以後、社会の食の安全・安心に対する関心が高くなって、小売店レベルの拒否反応が強い B 雪印は北海道と云う地の利があって、周辺経済への影響や雇用などから存続させようとする力が働いたが、不二家にはまったく存続させようとする見えない力が感じられない、などの理由で不二家が持ちこたえるのは難しいと思う。
 ただ、ペコちゃんマークや不二家のブランドには、まだ相当の資産価値があるので、会社を切り売りする中でこれらブランドだけが生き残ることは確かだ。
    
 そこで当サイトとしては、FC加盟店の行方が気になってくる。
 現在のところ、1月11日からの全店休業に対しては、休業補償として平常時の売上げの3割程度を補償することで本部から連絡がきているようだ。
 ただ問題はこの先の展望である。
 よく食中毒事故を出した飲食店などのケースでは、事故後の1、2年は何とか持ちこたえるが、事故のほとぼりも冷めた頃に倒産するケースが圧倒的に多い。
 不二家の洋菓子店などでも、これから行政の処分を待って、処分明け営業再開
とまではいくだろうが、その後は歳をとって髪が抜けるように次々と廃業するお店が相次ぎそうだ。不二家は、1960年代には既に洋菓子店でのFCをスタートさせているように、長い歴史があるだけに店舗経営者の多くが高齢になっている。
 そのために、今回の事故を契機に廃業する店主が多くでそうだ。
        
 ところで、FC加盟店に対する本部の損害補償だが、ほとんど期待できないだろう。多分、不二家のFC契約書にも、本部側による不祥事の発生は予想していないはずで、契約を基にしては補償はされないはずだ。すると、加盟店が集まって集団訴訟ということになるが、不二家自体の存続が危ぶまれる中で訴訟を起こしても、一人芝居になりかねない。例え裁判に勝訴しても、弁償してくれる不二家が無くなっては、無駄骨に終わるからだ。
 今回の不二家の例を見ても、これからFC起業を考える人は、本部の経営状態や事業内容まで視野に入れなければならない、難しい時代になっている。
                    
                    
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