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『起業のときに、安易に納豆ブームにのる怖さ 』


平成19年1月25日

 テレビで大々的にダイエット効果を宣伝して納豆を売りまくり、それがやらせとバレてあっと云うまに人気が地に落ちる。今回の納豆ブームは、ブームの爆発力の凄さと、反転して落ちていく人気の速度と影響を、否というほど露骨に見せつけてくれた。
 納豆に限らす、これまでにもダイエットブームや健康ブーム、味覚ブームを巻き起こした食品は数多くあったが、今回ほどブームの正体をまざまざと見せ付けたものはなかったような気がする。
 ある種の消費者心理を如実に物語るもので、この展開をコントロールすることが可能ならば、上手く起業に追い風として利用できないものか、起業家なら誰もが考えるところであろう。
           
 起業に際して、ブームに便乗する商法は確かに短い期間に利益を上げることが可能で、初期の滑り出しとしては上々の結果を残すことができる。初めて起業する人にとって、立ち上げが容易なことは他に替え難い利益をもたらしてくれる。
 これまでにも食べ物ブームは幾度となく起こっている。古くは、ナタデココや有機野菜、豆乳、激辛などがあり、最近でも食物繊維やスープカレーなどといったブームが起こっている。
 食べ物の場合は、ブームが去ったからと云って、その後は跡形もなく消えてしまうことはなく、しっかり食生活に定着するケースも多いが、メーカーや小売店の立場としては、大量に在庫を抱えているだけに、ブームが下火になったときの経営にあたえる影響は計り知れない。

 昨年、寒天がブームになったとき、寒天製造のトップメーカー伊那食品工業・会長の塚越寛さんは、「寒天がブームになることは迷惑だ。例え売上げが増えても、設備投資を増やすことはしない」と言い切った。
 長いこと企業経営に携わっている経営者にとって、一時的な売り上げ増は経営の波乱要因ではあっても、長い目で見て経営にプラスにはならないことを十分認識している。
 そのくせ、伊那食品では寒天ブームの追い風に乗って、「かんてんぱぱ」の名称でネットショップや店舗展開を進めている。ブームに便乗して小手先の増産体制を取ることはしないが、寒天の認知が高まっていること利用して少ない資金でインフラの整備に力を入れる堅実な経営手法だ。

 この点は、どうしても目先の利益を追わないと干せ上がってしまう起業家と、数十年の経営基盤にのって経営を考えることのできる事業家との違いだ。
 ただ、起業家も常にブームが下火になった時のことを考えながら経営を行わないと、今回の納豆のようにいきなりやらせでしたで、売れ行きがばったり止まってしまっては、商売もそこまでで終わってしまう。
 やはり経営リスクを考えると、ブームとは一線を画して、他とは違う自前の販売手法でお客さんに商品を提供しないと、どうしても飽きられる心配がついて廻る。
 今回の納豆ブームは、起業する側にとっても、色々考えさせられる問題が多かった。 
                   
                   
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