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『 新しい段階に入った人材派遣での起業 』
最近の都市部での人手不足は深刻の度合いを増しており、コンビニではアル
バイトが集まらないため、人材派遣会社から店員を派遣してもらうコンビニまで
あるほどだ。
これまで安い人手に頼りきってきた、飲食店や小売店の経営が厳しくなって
いる。一方、これまでは不況型業種の代表選手だった人材派遣業が、好景気
になっても人手不足の追い風が吹き続けている。
人材派遣業界の業績は、ほとんどの会社が黒字になっている。民間の調査
機関の調べでも、05年度の売上高は前年比で16%も伸びているので、仕事
の量は相当伸びていると考えて間違いない。
そこで、これから起業を考えている人の中には、人材派遣での起業を考える
人も少なくない。起業相談においても、現在企業経営をしていて、新たに人材
派遣会社の設立を考える人、人材派遣会社に勤めていて数人で会社の設立
を考える人など、人材派遣に起業チャンスを感じている人は多い。
好調なのに、他の業種のような過当競争に陥らない理由は、人材派遣業が
他の業種に比べて新規参入の障壁が一段高いからである。
人材派遣業は、登録したスタッフを派遣依頼時に雇用して派遣する一般労働
者派遣事業と、常時雇用しているスタッフを派遣する特定労働者派遣事業の2
種類がある。
設立にあたっては、20 u以上の事務所と適切な職員数。それに登録制の
一般労働者派遣事業には、基準資産額として1事業所に1000万円と事業資
金800万円が必要になる。
特定労働者派遣事業では、派遣スタッフを雇用し続けなければならない。
例え参入時に、資金的な問題がなくても、現在は派遣労働者を集めることも
大きな問題になっている。
この5年ほどの間に、新たな起業に成功している人材派遣会社の経営者に共
通している点は、誰もが起業に至るまで大変な苦労をしていること。
一度起業して倒産を経験しての再出発であったり、自身が派遣会社で働いた
経験があったり、人並み以上の苦労をしたストーリーのある人が多い。
現在の人材派遣会社に登録したり、雇用されている人には、色んな人が集ま
っている。それらの人の心を引き付けるには、それなりに説得力のあるカリス
マ性が必要なのかも知れない。
また人材派遣会社というと、一時の腰掛意識が強いが、その中で忠誠心を引
き出すには、人の苦労が分かる起業家が必須のようだ。
それは派遣の内容とも関連していて、育児中の若い主婦を対象に、労働時間
の短い派遣や、メーカーの研究開発向け派遣など、専門性の高い独自ジャン
ルを築いた会社が高利益を上げているのに対し、昔からの一般事務や軽作業
などを派遣をしている会社は、苦しい経営を強いられている。
弱いつながりの組織だけに、経営の公開や納得できる組織運営が欠かせな
いのが派遣会社だ。
これからの展開を考えるとき、団塊の世代を中心とした中年層の派遣がここ
2年ほど話題になっているが、思ったような成果は上がっていないようだ。
人材派遣年齢は、昔から35歳あたりまでとされていて、それ以上は人は、管
理する側もされる側も難しいというのが定説。
近頃は定年退職者を対象に人材派遣で起業を考えている人がいるが、意外
と難しいようだ。
わたしはそれより、外国人労働者の派遣を先物買いで、今から準備を進める
方が、実効性のある起業チャンスと思っている。
国によっては、日本での規制緩和が間近いことを見越して、日本語学習に力
を入れている国も、数カ国あるくらいだ。
今の人材派遣業は、企業のリストラ対策に呼応して安い人件費の代替要員
を派遣する時代から、アイデアと提案力を武器にクライアント企業の力となる時
代へと変貌を遂げている。
この流れについていけるか、ついていけないかで、人材派遣での起業の風景
も変わったものになってくる。
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