起業をしても、誰もが成功するとは限りません。個人の能力や性格が影響しますし、時の社会の空気にも大きな影響を受けます。そのため、起業を勧めるようなことはしていません。


　基本的には、日本経済はほぼ成長の止まっているゼロサムの社会。経済のパイの奪い合いですから、儲かる人がいますと、その分損をしている人もいるのが今の経済です。


　競馬でも、ＦＸでも、パチンコでも、損をする人が大勢いますから、そのカネが儲かる人に入る仕組みです。ＦＸは儲かると煽っていますが、損をする人がいないことには絶対儲かりません。

　しかも、胴元の運営会社が手数料を抜きますから、その分儲けは小さくなります。この仕組みが判りますと、ギャンブルで勝ち続けることは奇跡に思えてきます。


　起業の場合は、経済の大きなパイの中なので、損と儲けとが見えづらくなります。それでも、近隣の競合店よりも売れることが儲けにつながり、競合店は売上げが減ることを意味しています。


　マクロ経済でよく云われるのは、給料の少ない若者にとってスマホ費用の負担が大きいため、クルマは買わないとか、飲食店でカネを使わない現象はその典型です。


　起業するビジネスでどれだけお客さんを集められるか、事前に予測してからはじめることによって、大きな失敗は避けられます。この事前準備ができているかどうかは、起業の成功に大きな影響があります。


　結局は、子供が幽霊を怖がるのと同じで、想像だけで幽霊を考えるから必要以上に怖がることになります。大人になって死者をみたり、幽霊屋敷の裏側を知ることで、無暗に怖がることはなくなります。


　起業も、目指すビジネスの実態をよく知っていますと、勝手に美化することもなくなる代わりに、大きな失敗もしなくなります。一度起業しても、難しいときは余裕をもって退け時を考えることができます。


　遮二無二、起業に突き進むことはしないで、時間を味方に周囲の環境をよく見ながら起業を考えてください。決して、誰もが起業して成功するわけではないので、冷静な視線でみることが大事です。



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