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『便利屋での起業はやっていける? 』


 「月収が100万円以上はざら。ただ、見た目が汚い仕事だし、お客さんに反
感をもたれたら商売あがったりなんで、車もセルシオかクラウンに乗りたいの
を我慢して小型車にしてます」
 経営者のこんな台詞がテレビで流れて、急に脚光を浴びているのが便利屋
商売である。便利屋は、はたして本当に儲かる商売なのか?


 便利屋を始めるには、フランチャイズチェーン(FC)に加盟して起業する方法
と、既存の便利屋に一定期間勤めてから起業する方法と二通りがある。
 FCでは、広く知られているベンリーが加盟料など初期の費用が約450万円
以上、便利屋ファミリーが約280万円以上かかり、実際に事業を始めてからも
ロイヤルティーが数万円課せられて、加盟店の経営は相当厳しそうだ。
 便利屋商売のまったくの素人が、ハウスクリーニング、エアコン修理、病人の
付き添いから、最近はパソコン使用の支援までこなすには、事前のノウハウの
取得は欠かせない。


便利屋の場合、元手の資金がまったくないから手軽に出来る便利屋商売で
も始めようかと云う人が多く、その場合は、一度既存の便利屋に勤めてノウハ
ウを取得してから起業に走る人が大半だ。
ただ、ノウハウなしにチラシと電話だけで便利屋を始めようと人は、1カ月とは
もたない商売でもある。


 はっきり云って、便利屋はアイデアと人付き合いが勝負のビジネス。
便利屋に寄せられる依頼の中には、「テレビ録画の代行」、「老人の話相手」、
「犬の散歩相手」、「幼稚園の願書申込」、「引越で近所の挨拶回り」、「老人
の死の看取っり」、「家にでる幽霊の確認」など、お客さんが困っていることな
ら何でも手助けしますと云った姿勢を売りモノにしている。


 自分の手に余る仕事に関しては、知り合いの専門業者の助けを借りたり、ア
ルバイトを頼んだり、横の関係の人付き合いが求められる。
 一方、お客さんとの間を取り持つのは、ポスティングで撒くチラシやNTTのタ
ウンページに掲載する広告。最近は、ホームページによるPRも積極的に行な            われているが、この集客に関してはどの便利屋にとっても最大の悩み。
 チラシ100枚を撒いて、お客さんからの注文が1、2件といった効果しかなく、
どうしても一度依頼を受けたお客さんに、再度注文を出してもらったり、知り合
いを紹介してもらうための知恵や工夫が求められる。


現在の便利屋の業況は、仕事はすごくキツイが金になる商売といった認識
が広まり、大都市圏では新規参入が相次いで過当競争になっている。
そのため、価格のダンピングや廃棄物の不法投棄を行なう業者も出現して、
ビジネスとしては厳しい状態になっている。


 地方においては競争は激しくないが、便利屋の認識度が低いことと、商圏で
のお客さんの絶対数が少ないために、ここでも苦戦している。
 ただ長い目で見ると、高齢化の進行によって家庭内での人手不足から需要
の底上げが見込めたり、日本全体に人手不足感が強まっていて、これ以上の
新規参入の心配は薄らぎそうだ。


 便利屋というと、誰でも起業出来る仕事の代表格のように思われるが、意外
とハードルは高い。
 全般に体力勝負の仕事が多いが、モノの修理や手作業など器用な人でなけ
れば向かない。
 他方、基本的にはキケン、キタナイ、キツイの3K仕事のうえ、専門業者や他
の職業と比較して一段下に見られるため、タフな精神でなければ務まらない
仕事でもある。


 そのため、不況期になると急増する古くからある仕事なのに、10年以上も
継続して営業している便利屋さんは皆無である。便利屋をステップに、他の商
売に鞍替えする人がほとんどだ。
 その辺の事情をよく考えてから、参入を決めたほうがよさそうだ。




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