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『賢い消費者が賢い経営者になれるとは限らない』

平成27年5月21日


 今、この国で子供、若者、女性などの振舞いを見ていると、少しでも賢い消費者になろうとする心理が、日常生活やビジネス活動を支配していると思われます。


 著述家 内田樹さんの言葉を借りますと、「最小の支出で最大の商品価値を手に入れる」ことに昼夜奔走し、「最小限の努力で最高の評価を受ける仕事願望の充満した生活」を続けています。


 この心理を起業やビジネスに生かせると、思い込んでいる若者や女性は多数います。特に、女性で起業を目指す人の中には、資金さえあれば賢い消費者が優れた起業家になれると、思い込んでいる人の話を聞くことがあります。


 わが国の消費活動の半数以上は女性が占めます。モノやサービスを買う女性心理を読むことができるなら、標準以上の店舗営業は決して難しくないと思っています。


 わたしに言わせると、買う側と売る側は似たようなプロセスを進みますが、ビジネスとしての展開は180度違っています。スタート地点は同じでも、まったく反対方向を向かって進むからです。


 片方はお金を支払う人です。自分が、支払う額に見合う商品価値の商品が買えるならば、ほぼ全員が賢い消費者になることが可能です。見た目1000円の商品を600円で買えたなら400円の儲けと単純なビジネスができます。


 他方、お金を払ってもらう方では、厳格な仕入れ価格があって、その上で利益を出さなくてなりません。まず、店頭に並べる販売点数を揃えるためには、売れる商品ばかりでなく、売れない商品を並べる技術も必要です。


 今は、同類の商品点数の少ない展示の店には、賢い消費者は見向きもしてくれません。買う側と売る側では、こんなにも基本となるビジネスの発想が違っています。


 本気で起業を目指すならば、賢い消費者心理を一旦捨て、店舗経営者としての能力と技術を身につける必要があります。今、女性や若者の起業家予備軍に求められるのは、消費者心理より経営者心理です。


                           優れた経営者になるための第一歩





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